夜行バス代わりに「新幹線+フェリー」がすんごいラクだった! それができちゃう航路とは? 豪華客室“お試し”できる!

AI要約

日本国内で2泊以上航行する超長距離フェリーは3航路あり、中でも「新日本海フェリー」の敦賀~苫小牧東航路は週1回の直行便や寄港便を利用している。

筆者が新日本海フェリー「らいらっく」を利用し、秋田駅まで向かうために利用した経験を共有。

フェリーには、スイート、デラックス、ステートの3つの豪華な個室プランがあり、各プランには様々な設備が整っている。

夜行バス代わりに「新幹線+フェリー」がすんごいラクだった! それができちゃう航路とは? 豪華客室“お試し”できる!

 日本国内で2泊以上航行する超長距離フェリーは、貨物専用を除外するなら3航路あります。苫小牧東港~名古屋港間の太平洋フェリー(仙台港に寄港、39時間30分~40時間)と、東京港~新門司港間のオーシャン東九フェリー(徳島港に寄港、32~34時間)、そして敦賀港~苫小牧東港間の新日本海フェリー(新潟、秋田港に寄港、34時間。2泊は土曜日発の敦賀港行きのみ)です。

 

 このうち「新日本海フェリー」の敦賀~苫小牧東航路は直行便と寄港便があり、寄港便は新潟港と秋田港に立ち寄ります。長距離航路ではルート上で2回寄港する唯一の航路です。ただ敦賀港~苫小牧東港間の直通は週1回で、敦賀港まで行かない新潟港発着が多いです。

 敦賀港(南)行きは、苫小牧東港19時30分発→秋田港7時35分着→新潟港15時30分着→敦賀港5時30分着など、目的地でフルに行動できる到着時間となっています。苫小牧東港(北)行きは、新潟港22時30分発→秋田港5時5分着→苫小牧東16時45分着というダイヤがあります。

 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は早朝の秋田駅に入る手段として、2024年6月に新日本海フェリー「らいらっく」を利用しました。目的は秋田駅8時19分発の観光列車「リゾートしらかみ1号」に乗ること。東京からこの列車に乗るには前泊するか、秋田駅前6時40分着の夜行バスを利用するか、このフェリーを利用するしかありません。夜行バスで9時間近い乗車は翌日に響くので、新幹線+フェリー利用を選択しました。

 新潟港フェリーターミナルは、新潟交通の末広橋バス停末広橋から徒歩8分です。東京駅18時12分発の上越新幹線に乗り、新潟駅20時07分着。夕飯を済ませて新潟駅20時51分発のバスに乗れば、末広橋21時15分着とちょうどよい時刻です。

「らいらっく」は全長199.9m、総トン数1万8229t、旅客定員846名、航海速力22.7ノット(42km/h)の大型フェリー。39種類もの設備を持ちますが、今回は最上級設備の「スイート」を予約しました。

「スイート」は個室面積が45平方メートル、幅120cmのベッドが2台備わり、独立したバスルームとトイレ、海が見られる専用テラスもあります。6人分の座席がある応接セットや、テレビ、冷蔵庫、クローゼット、ティーセットなど、充実した設備が備わります。冷蔵庫にはミネラルウォーターも入っていました。「らいらっく」で最上級の設備ですが、新潟港~秋田港間であれば2万3600円(時期により変動)と比較的安価です。

 敦賀港~苫小牧東港間であれば最高6万7400円もする設備ですから、大型船の上級設備を「お試し体験」するうえでは打ってつけです。ただ新潟港→秋田港間の場合、レストランの営業時間外の航行となるため、コース料理が提供される特別食堂「グリル」での無料食事サービスはありません。その意味では、苫小牧東港→秋田港間が食事2回つきで2万9000円と、最もお得かもしれません。

 2番目に豪華な個室は「デラックス」です。洋室のツインと和室、バリアフリー対応タイプがあり、個室内にバスルームが備わるクラス。洋室のみの「デラックスA」はテラス付きです。床面積は狭いですが、設備は「スイート」と大差ありません。

 3番目に豪華な個室は「ステート」。ツインベッドの2人用洋室と和室、2段ベッドの4人用洋室、バリアフリータイプが存在します。テレビや洗面所も備わっています。