6月の米雇用、大幅減速示す可能性-年内複数利下げシナリオ後押しも

AI要約

米労働省労働統計局が6月の雇用統計で雇用者数と賃金の伸び鈍化が見込まれている。

労働市場の緩やかな冷え込みはFOMCが利下げを模索する要因となり、失業率の上昇が緊急性を表す。

6月の平均時給の伸び率が過去最低となり、インフレの減速が懸念されている。

(ブルームバーグ): 米労働省労働統計局が5日発表する6月の雇用統計では雇用者数と賃金の伸び鈍化が見込まれている。

ブルームバーグがまとめた予想中央値によれば、非農業部門雇用者数は前月比で19万人増、平均時給は前年同月比3.9%増。一方、失業率は前月と同じ4%と、約2年ぶり高水準での推移が見込まれている。

こうした労働市場の緩やかな冷え込みは年内に複数回の利下げを模索する米連邦公開市場委員会(FOMC)を後押しするとみられている。先物動向によれば、FOMCの利下げは9月と12月が織り込まれている。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アナ・ウォン、スチュアート・ポール、イライザ・ウィンガー、エステル・オウ各氏は「雇用者数は米当局者が利下げに辛抱強くなれることを示唆する可能性があるものの、ここ最近の失業率の上昇はより緊急性を帯びている」と述べた。

予想によれば6月の平均時給は前月比0.3%増。前年同月比の伸び率が4%を下回るのは2021年以来となり、インフレが引き続き減速しているとの確信を強める可能性が高い。

原題:US Jobs Report to Show a Substantial Slowdown in Hiring in June(抜粋)

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