海上保安庁に初の女性潜水士が誕生へ…五島海上保安署所属の23歳「合格」見通し

AI要約

海上保安庁で初めて女性職員が潜水士として合格し、訓練を受けていることがわかった。

女性潜水士となる浜地多実さんは選考会で泳力や体力測定、面談を突破し、海保史上初の快挙を達成した。

海上保安庁の潜水士は人命救助活動に従事し、海上保安学校で訓練を受ける女性潜水士は今後活躍が期待されている。

 転覆・沈没した船に潜るなどして人命救助にあたる海上保安庁の潜水士に、初めて女性職員が「合格」する見通しとなったことが、海保への取材でわかった。性別無関係の選考を経て現在、海上保安大学校(広島県)の潜水技術課程で2か月の厳しい訓練を受けている。来月上旬にも男性職員16人とともに証書が授与される。

 海保史上初の女性潜水士となるのは、五島海上保安署(長崎県)に所属する浜地多実さん(23)。

 昨年11月末に第7管区海上保安本部(北九州市)内の選考会に挑み、息継ぎなし25メートルや自由形300メートルを計測する泳力測定や、懸垂などの体力測定、適性や人間性を見極める面談を一発で突破した。複数回の挑戦が珍しくない各管区の選考会に女性が参加するのも、浜地さんが初めてだった。

 海保の潜水士は、人気漫画・テレビドラマから「海猿」の愛称でも知られ、海保大は映画「海猿」のロケ地にもなった。現在121人が「潜水指定船」と呼ばれる22の巡視船艇に配置されている。浜地さんは国家資格の潜水士免許をすでに取得済みで、海保大から五島署に戻った後は、通常の職務を続けて潜水士として配属されるのを待つ。