バイデン氏、最高裁改革提唱 任期制導入や大統領免責廃止 米

AI要約

バイデン米大統領が南部テキサス州で最高裁改革案を提案。終身制判事に18年間の任期導入や倫理規定の厳格化が柱。トランプ前大統領を念頭に特権免除を認めない憲法改正案を提起。

バイデン氏は大統領権限の乱用防止や最高裁の信頼回復を訴え、議会に協力を求める。倫理規定の厳格化では判事への政治活動禁止や利害関係の事件担当外れを要求。

改革案に対し、共和党の反対などの声もあるが、国民の支持が高まり、ハリス副大統領の選挙戦を後押しする可能性も。バイデン氏の政治的遺産づくりの一環と見られている。

 【ワシントン時事】バイデン米大統領(81)は29日、南部テキサス州オースティンで演説し、連邦最高裁の改革案を打ち出した。

 現在は終身制の判事に対する18年間の任期導入や、強制力のある倫理規定の適用が柱。トランプ前大統領(78)を念頭に、大統領経験者が任期中に犯した罪に対する「免責特権」を認めない憲法改正案も提起した。

 バイデン氏は改革を通じて「大統領権限の乱用を防ぎ、最高裁の信頼を取り戻すことができる」と述べ、議会に協力を促した。倫理規定の厳格化では、判事に政治活動の禁止や贈与品の公開、利害関係のある事件の担当を外れることなどを求めた。

 同氏はこれまで最高裁改革に消極的だったが、トランプ前政権下で保守系判事が多数派を占め、最高裁の「右傾化」が顕著になったことで危機感を強めた。民主党の大統領候補に指名が見込まれるハリス副大統領も、改革案を支持している。

 一方、改革に反対する共和党のジョンソン下院議長はX(旧ツイッター)で、関連法案は「提出と同時に廃案だ」と厳しい姿勢を示した。実現は極めて困難だが、国民の支持が高い最高裁改革を訴えればハリス氏の選挙戦の後押しにつながる。米メディアは再選を断念したバイデン氏のレガシー(政治的遺産)づくりの一環と指摘した。