【コラム】「宗教」になったトランプ氏…「米大統領選挙、盲目的陣営対決に突き進むか」(1)

AI要約

トランプ前米国大統領が共和党党大会で神の計画を強調し、バイデン大統領やハリス副大統領を攻撃。支持者の熱狂を呼び起こしている。

党大会ではトランプ氏の生還を神の啓示として捉え、神の加護を受けた存在として讃えられている様子が見られる。

演説や引用された聖句を通じて、トランプ氏は神に選ばれた者として称賛され、党大会は宗教的雰囲気に包まれている。

【コラム】「宗教」になったトランプ氏…「米大統領選挙、盲目的陣営対決に突き進むか」(1)

トランプ前米国大統領は18日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれた共和党党大会にガーゼを貼って現れ「だれも『神の計画』を知らないが、意見の不一致を克服してひとつの人、ひとつの国として団結しなければならない」と叫んだ。

そして24日、「神の計画」に言及した党大会後初めて開催した遊説でバイデン大統領の撤退により新たなライバルになったハリス副大統領を「頭のおかしい急進左派」と呼んだ。支持者は一斉に「戦おう」と連呼して熱狂した。

専門家らは「トランプ氏が暗殺未遂から生還してから支持者には宗教のような盲目性ができた。このため残る100日ほどは過去とは比較にならないほど極端な二極化の中で両党が陣営全体を動員する全面戦争になる可能性がある」との見方を出している。

◇「神の加護」繰り返された党大会

13日に発生した暗殺未遂事件後に支持者は銃に撃たれても生き返ったトランプ氏に対して「神の啓示」として熱狂し、トランプ氏を「神に選ばれた人」としてあがめた。

すると共和党はミルウォーキーでの党大会をバイデン大統領に対する糾弾の場にしようとしていた既存の計画を変更した。新しい計画はトランプ氏の生還に一種の宗教的意味合いを持たせ、支持者を盲目的な信頼を持つ支援軍に作り上げる戦略に近かった。

これはデータで確認される。ニューヨーク・タイムズの分析によると、共和党党大会4日間に出てきた11万個余りの単語のうち最も多く言及された単語は、「トランプ」が1049回、「大統領」が905回、「米国」が663回、「米国人」が547回、「国」が445回、「バイデン」が393回、「国民」が355回だった。いずれも選挙遊説で出るのは当たり前とも言える言葉だ。

ところがこれら7個を除いて最も多く使われた言葉は310回の「神」だった。ここに176回言及された「神の加護」を追加すれば神と関連した言及は486回で、トランプ、大統領、米国、米国人に続き5番目に多く言及された言葉になる。通常の党大会とは違い「神の加護を受けたトランプ」を強調する方式だったという話だ。

◇「トランプ氏は聖書に出てくる獅子」

実際に応援演説に出たコリー・ミルズ下院議員は「聖書エフェソの信徒への手紙第6章11節を読んでみなさい。トランプ氏を救ったのは神の介入だと心から信じる」と話した。彼が言及した聖書の一節は「悪魔の策略に対抗するために神の武具を身につけよ」だ。トランプ氏の二男の妻で共和党全国委員(RNC)の共同議長であるララ・トランプ氏も「悪い者は追う者がなくても逃げるが、正しい者は獅子のように勇ましい」という箴言28章1節を引用した上で、「トランプ氏は聖書に出てくる獅子」と話した。

このほかにも共和党党大会では「神がトランプ氏を救ったのは彼を通じてすべきことがまだ終わっていないため」「神が特別な理由のためにトランプ氏を救った」などの演説が続いた。プロテスタントの牧師がトランプ氏勝利を祈る祈祷の順番も繰り返し配置された。ウォール・ストリート・ジャーナルは「党大会が銃撃事件直後に開かれ宗教的雰囲気が格別に高まった」と分析した。