京都国際高校の甲子園優勝ニュースに接した韓国社会が見落としている真実【寄稿】

AI要約

日本人たちが甲子園の決勝を熱烈に話題にしていた背景には、京都国際高校が優勝し、校歌の韓国語歌詞が注目を集めたことがあった。

京都国際高校の勝利には感動的なストーリーがあり、160人の生徒が3715チームを抑えて栄冠に輝くまでの歴史が紹介された。

韓国と日本の高校スポーツの格差も浮き彫りになり、日本の多くの高校が野球やサッカー部を持っているのに対し、韓国ではその比率が著しく低いことが明らかにされた。

京都国際高校の甲子園優勝ニュースに接した韓国社会が見落としている真実【寄稿】

 10日ほど前に東京に出張した際、日本人たちは誰もが甲子園の決勝を話題にしていた。ホテルの部屋で見た試合のハイライトはまさにドラマそのものだったが、そこでは「全国高校野球選手権大会」というタイトルにそぐわない一流の野球解説者が出演し、試合を分析していた。甲子園はそれ自体が日本国民にとってお祭りのようなものだった。

 韓国メディアが隣国の高校野球決勝戦を大きく報じた理由は、優勝した京都国際高校が在日韓国人の設立した学校だったからだ。甲子園はどの試合も終了後に勝ったチームが整列し校歌を歌う美しい伝統があるが、京都国際高校校歌の韓国語歌詞には「東海を超えてきた大和の地…」とあるため、韓国の高校が優勝したような錯覚に陥った。日本の高校野球大会が韓国で大きく注目を集めたのはまさにこの校歌が理由だった。

 しかし驚くべきことは校歌だけではない。全校生徒160人の小さい学校がいかにして3715チームの頂点に立つ実力を備えたかが最も感動的なストーリーだ。日本で韓国人のアイデンティティーを持ち続けるため孤軍奮闘してきた歴史も非常に感動的だ。その上甲子園で優勝するとは。出張中に会った日本の教授たちも「今回の優勝は日本社会でも奇跡と受け取られている」として祝いの握手を求められた。

 本来なら肩を張って自慢すべきだろうが、韓国における高校の現実が頭に浮かびそれはできなかった。この夏甲子園に出場するため47都道府県から3715チームが激しい予選を戦い、それに勝ち抜いて甲子園にまで来られたのはわずか49校だ。日本で甲子園の予選に出場する高校の多さにまず驚いてしまう。これに対して韓国は100校ほどの高校野球部が活動しているが、これは日本の37分の1だ。人口差を考えてもその規模は15分の1だ。サッカーも事情はほぼ同じだ。

 さらに驚くべきことは、球技の部活がある高校の割合だ。2021年の統計によると、日本では高校のサッカー部は3862チーム(韓国は190)ある。日本には4887の高校があるので、全体の80%にサッカー部があり、野球部がある割合は76%だ。これに対して韓国ではサッカー部がある高校は8%、野球部はわずか4%だ。これが韓日両国の高校スポーツの格差だ。つまり韓国の高校ではチームスポーツは生活の一部でも文化でもなく、彼らだけのリーグに過ぎないのだ。