シベリアの「巨大な穴」が急速に広がっている…温暖化を加速させる可能性も(海外)

AI要約

北極の気候危機により、シベリアにできた巨大なバタガイ・クレーターが急速に拡大している。

永久凍土が融解して形成されたこの穴は、地球の急速な変化を象徴しており、衛星画像で明らかになっている。

バタガイ・クレーターは世界最大の後退的融解スランプであり、北極圏の温暖化の影響を具体的に示している。

シベリアの「巨大な穴」が急速に広がっている…温暖化を加速させる可能性も(海外)

衛星画像によって、シベリアにできた巨大な穴が急速に拡大していることが示された。

「バタガイのメガスランプ」は北極の気温上昇にともない、凍土が融けて形成された。

これは、気候危機の加速によって変わりつつある北極の風景を示す際立った例となっている。

巨大な穴がシベリアの陸地を切り開いている。宇宙から撮影した衛星画像によって、それが急速に成長していることが示されている。

「バタガイ・クレーター(Batagay crator)」と呼ばれるその穴の形は、エイやカブトガニ、巨大なオタマジャクシに似ている。1965年に撮影され、その後、機密解除された衛星画像では、確認するのが困難なほど小さな穴だった。

だが今では、急峻な崖のある大きな裂け目となり、宇宙からでももはっきりと見えるようになっている。

アメリカ地質調査所によると、1991年から2018年の間に穴の大きさは3倍になった。

「バタガイカ」や「地獄の入り口」と呼ばれることもあるバタガイ・クレーターは、地球全体に影響を及ぼす重大な問題を象徴しており、その問題はしばしば目に見えないことがある。

北極圏は地球の他の地域よりも急速に温暖化が進んでおり、以前は永久に凍っていると考えられていた「永久凍土」までもが急速に融解している。

バタガイ・クレーターは、実際にはクレーターではない。世界最大の「後退的融解スランプ」と呼ばれる穴で、永久凍土が融解することで地面が崩れ、周囲の土がその穴に滑り込んで地滑りを引き起こすことで形成される。

北極圏には何千もの融解スランプがある。しかし、バタガイ・クレーターはその巨大さからメガスランプと呼ばれるようになった。バタガイという名は、近郊の町の名前にちなんでいる。

セントルイス・ワシントン大学の地球物理学者、ロジャー・ミカエリデス(Roger Michaelides)がBusiness Insiderにこう語っている。

「永久凍土は、最もフォトジェニックな被写体というわけではない。というのもほとんどが地下の凍った土壌であり、このメガスランプのように何らかの方法で露出しない限り、見られないからだ」

だからこそ、バタガイ・クレーターは有名になり、未来を予兆するものだと考えられている。