大の里強さの秘密は…二子山親方「どんどん前出る」音羽山親方「スピード」攻めまくる192センチ182キロ

AI要約

大関昇進が確実となった大相撲秋場所14日目の結果を報じる。関脇・大の里が2場所ぶり2度目の優勝を達成し、初土俵から所要9場所で大関昇進が決定。彼の強さや特徴、昇進の経緯が詳細に紹介されている。

大の里の強さは、身長や体重といった体格に加え、圧力の強さやスピード、攻めの幅の広さにあると分析されている。特に修正能力の高さが際立ち、昇進への期待が高まっている。

大の里の大関昇進の流れや日程、昇進が見送られる可能性の低さ、そして大関昇進後の展望についても具体的に紹介されている。

大の里強さの秘密は…二子山親方「どんどん前出る」音羽山親方「スピード」攻めまくる192センチ182キロ

◆大相撲 ▽秋場所14日目(21日、東京・両国国技館) 

 関脇・大の里が2場所ぶり2度目の優勝を楽日前に決め、昭和以降最速となる初土俵から所要9場所での大関昇進を確実とした。破竹の勢いで番付を駆け上がる“怪物”の強さはどこにあるのか。初土俵から所要12場所で大関に昇進し、昭和以降の最速記録保持者である二子山親方(元大関・雅山)、音羽山親方(元横綱・鶴竜)らの話から分析した。

 まげ姿のまま大関の座を手にしようとしている大の里。休場前に取材に応じた二子山親方は“独走”を許す周囲の状況を嘆きつつも、昇進は「時間の問題でしょう」と話していた。原動力は192センチ、182キロの恵まれた体格で前へ出続ける圧力の強さという。「大きい力士は普通は受けの相撲になるが、どんどん前に出てくる。相手は脅威」と解説した。音羽山親方も「あの身長と体重でスピードがあるのが武器」と分析する。

 付け出しを除き、年6場所制となった1958年以降、初土俵で所要19場所の最速大関となったのは元大関・琴欧洲の鳴戸親方。高校生の大の里に稽古をつけた経験がある。当時から前へ出る気持ちが強かったといい、「他の人が目の前の勝負に意識が向く中、先を見ていた。なかなか小さい人に勝てず結果は出せなかったが、大きい体を生かそうとしていた」と回想する。

 高い修正能力も特長だ。以前は得意の右を差しても半身になることが多く、二子山親方は「差し手の右に寄れない部分があった」と語る。体を寄せきれず回り込まれ、星を落とすケースもあったが、初優勝した夏場所の頃から「右の腕(かいな)を返して寄るようになった」といい、数場所で改善したことに目を見張る。

 八角理事長(元横綱・北勝海)が「(今場所)成長したのは左の使い方。相手は両方、警戒しないといけない」と語るように、左おっつけなど攻めの幅も広がってきた。音羽山親方は「弱点を克服している。修正能力の高さは、上に行く人にとっては必要」と解説した。

 大関昇進は、通過点という声も多い。二子山親方は「白鵬の優勝45回は抜けないにしても、すごい回数を重ねそうな力士が久々に出てきた」と希望を膨らませていた。21年九州場所から照ノ富士の一人横綱が続く中、大の里には最高位を目指す存在として、大きな期待が寄せられている。(三須 慶太)

 ◆大の里の大関昇進の流れ

 ▼22日・千秋楽 審判部が臨時理事会の招集を理事長に要請→受諾されれば、これまで理事会で昇進が見送られた例はなく、事実上の決定。

 ▼25日・番付編成会議 招集された臨時理事会の承認を受けて正式決定→使者(昇進力士の一門の理事と審判委員が多い)が部屋に出向き、伝達式を実施。