関脇貴景勝、28歳の早すぎる引退 大関在位30場所、横綱への夢届かず…年寄「湊川」襲名/秋場所

AI要約

大相撲秋場所13日目、関脇大の里が大関琴桜を寄り切りして12勝1敗とし、大関昇進の目安である33勝に到達した。

関脇貴景勝が突き押し相撲で大関まで駆け上がり、現役引退を決めた。

貴景勝は慢性的な首痛に悩まれ、頸椎ヘルニアの影響で最近は稽古不足が続き進退を師匠と話し合った。

関脇貴景勝、28歳の早すぎる引退 大関在位30場所、横綱への夢届かず…年寄「湊川」襲名/秋場所

大相撲秋場所13日目(20日、両国国技館)単独首位の関脇大の里(24)は取り直しの一番で大関琴桜(26)を寄り切り。12勝1敗とし、大関昇進の目安とされる直近3場所の合計が33勝に到達。昇進に大きく前進した。関脇霧島(28)、平幕高安(34)はともに黒星で3敗に後退。14日目に大の里が大関豊昇龍(25)に勝てば、2場所ぶり2度目の優勝が決まる。また、日本相撲協会は元大関で関脇貴景勝(28)の現役引退と年寄「湊川」襲名を理事会で承認し、発表した。

闘い抜いて、力尽きた。旺盛な闘争心を込めた突き押し相撲で大関まで駆け上がった貴景勝が現役を引退する。今場所は「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア」のため3日目から休場していた。

5月の夏場所を途中休場。かど番だった7月の名古屋場所は5勝10敗と2場所連続で負け越し、今場所に関脇に転落していた。

頭からぶつかる立ち合いで、慢性的な首痛に悩まされ、休場は今年だけで4度目。最近は場所前の稽古不足が懸念される状態が続いていた。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)によると、11日目(18日)に「お話ししたいことがある」と連絡があり、同夜に進退について話し合われた。その席で本人から「引退させていただきます」と申し出があったという。

大関在位30場所で優勝4度。28歳1カ月での引退は昭和以降の昇進で最高位が大関の力士では2番目の若さとなるが、師匠は「よくがんばったなと思う」。

大関で3度の優勝を遂げ、「綱とり」も経験したが、横綱昇進の夢は果たせなかった。出足で勝負する押し相撲は迫力はあるが、相手と距離を保つため引き技を食うリスクも伴い、安定感に欠ける。近年、突き押し一筋で最高位を極めた力士は見当たらず、貴景勝は「突き押しの奥義を極めたい」と自らの道を進んだ。八角理事長(元横綱北勝海)も「珍しい大関。特徴のある大関」と表現していた。

21日に会見に臨み、今後は所属する常盤山部屋で後進を指導する。