花巻東が2年連続12度目 1年生の4番・古城大翔がダメ押し打 大谷翔平の「17」継承/岩手大会

AI要約

古城大翔内野手が活躍し、花巻東が盛岡大付を破り夏の甲子園出場を決めた。

1年生の古城が投手強襲の適時内野安打を放ち勝利に貢献。大谷翔平の背番号17を受け継ぐ期待のスラッガー。

古城は父のプロ野球経験を背景に、高い野球センスと才能を持ち、夏の甲子園に向けて意欲を燃やす。

花巻東が2年連続12度目 1年生の4番・古城大翔がダメ押し打 大谷翔平の「17」継承/岩手大会

第106回全国高校野球選手権大会岩手大会(25日、盛岡大付3―4花巻東、きたぎんボールパーク)決勝で花巻東が盛岡大付に競り勝ち、2年連続12度目の夏の甲子園出場を決めた。今大会初めて4番で先発出場した古城大翔(だいと)内野手(1年)が九回に投手強襲の適時内野安打を放つなど、2安打1打点の活躍で勝利に貢献。同校OBで米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)もつけた背番号17の1年生スラッガーが聖地に乗り込む。

怪物1年生が決勝の舞台でも飛躍した。歓喜の輪ができた瞬間、花巻東・古城の目には光るものが浮かんでいた。

「結果ばかりを考えることは一切ない。チームが勝つことだけを考えて打席に立っていた」

182センチ、87キロの恵まれた体格から振り抜く力強いスイングが魅力の右打者。今大会初めて「4番・三塁」で先発出場し、六回に左前打を放つと、2-1の九回1死一、三塁で役割を果たした。「どうにかして1点を取ってやろうと思っていた」。投手強襲の適時内野安打とした。

横浜市生まれの16歳。500キロ以上離れた花巻東への入学を決めたのは、同校OBの大谷や菊池雄星(ブルージェイズ)の存在だった。

「大谷さんだったり、雄星さんは憧れの存在。自分も追いついていきたい。負けられない」

中学2年時には練習見学へ訪れ、当時2年で、高校最多とされる通算140本塁打を誇る佐々木麟太郎内野手(現スタンフォード大)の打撃に感銘を受けた。「別格のスイングや打球スピードだったので刺激になった」。それから入学するまで、佐々木の「体全体を使って打つ」という打撃理論を参考に、バットを振り込んだ。

大翔の父は、プロ野球日本ハム、巨人で内野手としてプレーし、通算767試合出場の茂幸氏(48)=現巨人3軍コーチ。高校入学前に「失敗を恐れるな」と背中を押された。「恐れずにバットを振っていこう」と父の言葉を胸に臨んだ今大会。かつて大谷も背負った「17番」を受け継いだ1年生は、準々決勝の盛岡中央戦で高校1号となる左越え2ランを記録するなど、大きく羽ばたいている。

首にかけられた金メダルを手に取った1年生は「これは先輩たちがくれた」と感謝し、「(甲子園出場が)一つの夢だった。この夏は先輩方の大会なので、後押ししたり足を引っ張らないプレーをしたい」と大舞台への思いを語った。花巻東の夏の甲子園最高成績は2009、13年のベスト4。大谷でも成し遂げられなかった全国制覇へ、古城が全国にその名をとどろかせる。(児嶋基)