「コメ不足」は終わるのか。リンゴにミカンも…気候変動時代の「食料不足」、専門家に聞く乗り越え方

AI要約

コメ不足や食材の不足は気候変動に起因する可能性が高い。

2024年の気象データによると、気温の上昇が食料生産に影響を及ぼしている。

食料不足に備えた対策が必要であり、気候変動への適切な対応が求められている。

「コメ不足」は終わるのか。リンゴにミカンも…気候変動時代の「食料不足」、専門家に聞く乗り越え方

最近ニュースでも頻繁に話題になる「コメ不足」。

今回のコメ不足の要因は複雑で、はっきりとした原因を特定することは難しいといいます。一方で、実はいま、コメだけではなく、リンゴやブドウ、ミカンなどの果物や、魚介類といった他の食材についても、将来的に手軽に手に入れられなくなる恐れがあるといわれています。

その原因の一端は気候変動や異常気象。そう、「地球温暖化」によるものです。

「とにかく暑い」と感じることの多かった2024年の夏。全国各地で、最高気温が35度以上の日の「猛暑日」が相次ぎました。

観測データからも、「酷暑」は裏付けられています。

気象庁によると、2024年夏(6~8月)の日本の平均気温は過去30年の平均値(基準値)と比べて1.76度も高くなりました。これは、1898年の統計開始以降、2023年と並び最も高い値でした。年間を通しても、2023年の年間平均気温は基準値から1.29度高くなりました。

そんな中、私たちが生活する上で欠かせない「食べもの」を巡っては、コメの品質低下や漁獲量の減少など、さまざまな変化が既に起こっていることが分かってきています。

「世界的には、気候変動と極端現象によって、数百万単位の人々が一時的な食料不安にさらされると、研究者は警告しています。食べものの輸入依存度が高い日本も決して他人ごとではありません。食料安全保障の観点から、食料不足に備えた準備が必須になっているのです」(長谷川さん)

長年、農作物と気候変動の関係を研究し、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」報告書の執筆者の一人でもある、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の長谷川利拡エグゼクティブリサーチャーはこう話します。

今回のサイエンス思考では、気候変動が私たちの「食生活」に与える影響の実態。そして、気候変動時代に求められる対抗策を長谷川さんに聞きました。