iPhone 16発表の裏で「Xperia 5 VIナシ」を公表したソニーの今

AI要約

アップルとソニーの最新スマートフォンの動向について

ソニーのXperia 1 VIの好調な売れ行きと、5シリーズの停止販売のニュース

携帯メーカーの国際的な勢力図の変化と、ソニーの今後の展望

iPhone 16発表の裏で「Xperia 5 VIナシ」を公表したソニーの今

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寝ても覚めても「iPhone 16」だった、この1週間。

「カメラコントロール」という新しい操作方法がある一方で、アップルのAI機能「Apple Intelligence」の日本語対応は2025年までお預けということが明確になり、今回は一段と「買いかどうか」がわかりづらい情勢になっています。

そんな中、アップルの発表会が終わった約7時間30分後、ソニーがメディア関係者向けの説明会を開催しました。

話題は大きく分けて2つで、1つは5月に発表した「Xperia 1 VI」の売れ行きが好調だという点です。

1 VIは「画面比率21対9&4K解像度廃止」「複数あったカメラアプリの統合」など大きな変更があり、売れ行きに懐疑的な見方をする声もありました。

ふたを開けてみると、説明会時点でXperia 1 VIの販売実績は、前年モデル「Xperia 1 V」に比べて128%の進捗と好調で、ソニー担当者は「他メーカーからの乗り換えも明らかに増えている」と言うほどです。

一方で、後者は残念なニュースでした。2024年は5シリーズの新作が出ず、2023年9月に発表した「Xperia 5 V」を継続販売するというもの。

5シリーズは自分も購入したことがありますが、1シリーズの性能のいくつかを維持しながら二回りぐらい小さい筐体が魅力でした。

ソニーは2025年以降の5シリーズの展開について「具体的にお答えできることはない」と留めてはいますが、メディア関係者の説明会の印象としてはやや後ろ向きになってしまったことは否めません。

また、iPhone 16シリーズのカメラコントロールには、シャッターキーとしての役割や、フォーカスや露出のロック(今後提供予定)が備わります。

これらの要素は全く同一の機能ではないものの、自社にプロ向けカメラ事業を持つソニーが、スマホでもこだわり続けてきた点であり、「アップルにお株を奪われた」印象だったことことも、ネガティブな印象を強くしてしまいました。

2023年の京セラの個人向け端末事業の撤退、FCNT(旧富士通)の経営破綻からの中国・レノボグループによる買収、そして昨今の中国のスマホ&家電メーカー・シャオミ(Xiaomi、小米集団)の台頭など、携帯メーカーの国際的な勢力図は大きく変化しています。

数少ない日本資本のメーカーであるソニーのXperiaが、今後どんな道を進んでいくのか。記者という立場からも、一人のユーザーとしても非常に気になるところです。