30ヘクタールの工業団地 交通アクセス良、水量も豊富 長崎・東彼杵で開発計画

AI要約

長崎県内で約30ヘクタールの大規模工業団地の開発計画が進行中。地下水豊富で、半導体工場誘致を目指す。

工業団地は交通アクセスが良く、豊富な工業用水を見込める条件で、地域経済への波及効果が期待されている。

半導体関連企業の進出が進む九州で、誘致競争が激化。地域整備が迅速に進められる可能性が高い。

30ヘクタールの工業団地 交通アクセス良、水量も豊富 長崎・東彼杵で開発計画

 東彼東彼杵町と長崎県が同町内で約30ヘクタールの大規模工業団地の開発を計画していることが25日、関係者への取材で分かった。交通アクセスが良く、豊富な工業用水を見込める県内まれにみる好条件。地域経済への波及効果が高い成長産業、半導体の工場誘致を目指す。

 関係者の話を総合すると、計画地は同町三根郷の彼杵川両岸。東京ドーム6個余りの広さに相当し、多くを水田が占める。地下水が豊富で、使用可能量は調査中だが日量数千トン規模が見込まれている。長崎自動車道東そのぎインターチェンジ(IC)に近接し、利便性が高い。地権者らに説明会を開いた。

 九州では、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場を筆頭に、大規模な半導体関連企業の進出や設備拡張が相次いでいる。関連企業の集積や雇用拡大に向け、自治体間の誘致競争も激化。工業団地はその“武器”となるが、半導体の大規模工場は10ヘクタール以上、日量数千トンの水が必要とされる。本県はもともと平地が少なく、水源も限られるため、誘致の足かせとなっている。

 東彼杵町の計画地は、山を切り開く必要がない分、造成コストを抑制でき、地権者らの理解が得られれば、迅速な整備が期待される。

 現在、県内で分譲可能な工業団地は5カ所で計28・3ヘクタール。このうち雲仙市の多比良港工業団地(10・7ヘクタール、日量千トン)が最も規模が大きい。ほかに諫早市小栗地区の諫早平山産業団地(仮称、11・3ヘクタール)が2028年度分譲開始を予定している。