トランプ氏、好調な台湾の半導体ビジネスに激怒…防衛費の支払いにも言及(海外)

AI要約

トランプ前大統領は台湾がアメリカの半導体事業を奪ったと主張しており、台湾とアメリカの関係に影響を与える可能性がある。

台湾は世界の半導体大国であり、その生産量は世界の92%を占める。しかしながら、中国の台湾侵攻の懸念も高まっている。

トランプ前大統領の発言により、TSMCの株価が下落し、台湾政府は国防予算の強化を図っている。

トランプ氏、好調な台湾の半導体ビジネスに激怒…防衛費の支払いにも言及(海外)

トランプ前大統領は「台湾がアメリカの半導体事業を奪った」とブルームバーグ・ビジネスウィーク(Bloomberg Businessweek)に語った。

トランプは、中国が自国の領土だと主張する台湾に対し、保護費をアメリカに支払うように求めている。

台湾は世界の半導体大国であり、世界の先端マイクロチップの約90%を生産している。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が2024年の大統領選挙で再選を果たした場合、アメリカと台湾の関係には痛手となる可能性が高い。

共和党の大統領候補であるトランプは、半導体産業における優位性が台湾を豊かにしたとブルームバーグ・ビジネスウィーク(Bloomberg Businessweek)に語った。彼はこのインタビューの中で、台湾に関する主張を裏付ける証拠を一切提示していない。

「台湾は我々から半導体ビジネスを奪った」と彼は2024年7月13日の暗殺未遂事件前のインタビューでトランプはビジネスウィーク誌に語った。

「我々はなんて愚かなんだろう。彼らは我々の半導体事業をすべて奪った。彼らは莫大な富を得ている」

台湾は半導体チップ大国だ。アメリカに本部を置く半導体工業会(Semiconductor Industry Association)によると、台湾は世界の最先端マイクロチップの92%を生産しているという。

アメリカ国際貿易委員会(US International Trade Commission)の2024年11月の報告書によると、2021年、台湾のチップ産業は生産高1370億ドル(約21兆2350億円)を上げ、世界の半導体総売上高の約25%を占めたという。

一方で台湾の半導体メーカーはアメリカ企業に利益をもたらしている。台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company:TSMC)は世界最大の受託半導体メーカーだ。同社はアメリカの企業にチップを供給し、アップル(Apple)などはそれを消費者向け製品に使用している。人工知能(AI)向けチップメーカーのエヌビディア(Nvidia)もTSMCの大口顧客だ。

しかしながら、中国政府は台湾を自国の領土と主張し、近年は台湾の周辺での軍事活動を活発化させている。そのため、世界経済とチップ供給に大きな影響を与えかねない中国による台湾侵攻への懸念が高まっている。

アメリカは、2022年8月にジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が署名して成立した520億ドル(約8兆円)の「アメリカCHIPS法(CHIPS for America Act)」に基づき、台湾からの供給に対する依存度を下げるため、国内での半導体製造を強化している。

アメリカは依然として、台湾に自衛のための軍事手段を提供し、台湾を保護する義務を法律で負っている。

「台湾は防衛費を我々に支払うべきだと私は思う」とトランプ大統領はブルームバーグに語った。

「我々は保険会社と何ら変わらない。台湾は我々に何もしてくれない」

トランプ大統領の苦言を受けて、台湾で上場しているチップ大手TSMCの株価は、2024年7月11日に最大3%も下落した。

トランプ大統領の発言に対し、2024年7月17日、台湾の趙重台首相は「アメリカと台湾は良好な関係を維持しており、台湾政府は国防予算を強化している」と述べた。

「我々は自国を防衛し、安全を確保するため、さらなる責任を負うつもりだ」