“地元じゃ当たり前の食材”に光を「評価してもらえるとうれしい」東京から新潟の山里に移住した41歳が目指す“田舎ビジネス”

AI要約

阿賀町で地域の食材を生かした特産品づくりを行う男性、柳沼陽介さんの物語。

彼が移住先に阿賀町を選んだ理由や、地域の食材である『鬼ぐるみ』に着目した背景。

地元の食材を活用した商品開発や地域活性化を通じて、田舎ビジネスがどのように展開されているか。

“地元じゃ当たり前の食材”に光を「評価してもらえるとうれしい」東京から新潟の山里に移住した41歳が目指す“田舎ビジネス”

新潟に暮らす移住者たちを追った『Nターンズ』。

今回紹介するのは、阿賀町で地域の食材を生かした特産品づくりを行う男性です。地域を元気にする“田舎ビジネス”とは?

「こんにちは!いらっしゃいませ!」

阿賀町でパンとおやつの店「奥阿賀コンビリー」を営む柳沼陽介さん(41)です。

「コンビリーは、阿賀町の方言で『おやつ』のことなんですね。“こんびり”とか言ったりするんですけど、地域の素材を使って、パンとかお菓子とかカフェメニューを作っているお店です」

阿賀町津川の商店街に店を構えて8年。

今や、まちを代表する人気店です。

客は

「必ず帰りに…食パンもすごく美味しい!大好き」

「こういう素敵なお店があるから行ってみたい!津川に行こう!ってなって、今回来たようなものなので…」

柳沼さんはもともと東京の果物専門店「千疋屋」で働いていました。

営業で全国をまわるうち、「地域にあるものを活用した『田舎ビジネス』がしたい!」と夢を抱き、独立しました。

柳沼陽介さん

「中山間地とか、田舎の良さみたいなのを感じて好きで、心豊かに暮らしたくて移住したわけで、その価値を商品に落とし込んで…」

柳沼さんは、なぜ移住先に阿賀町を選んだのか…

そこにある食材との出会いがありました。

「いつも、いつも、いつも…くるみでお世話になっております」

柳沼さんが地元の人たちに収穫をお願いしているのが、阿賀町に自生する『鬼ぐるみ』。昔からどの家庭でも食べられている保存食です。

鬼ぐるみを収穫する井上勝雄さん(83)

「家で食べるだけだから、一日行って拾って…昔から正月に食べるもんだったんさ、だから売るなんて考えなかったからよ」

鬼ぐるみは食べられる部分が少なく、加工に向いていないこともあり、市場にはほとんど流通していません。その希少性、そしてなによりも美味しさに、柳沼さんは目をつけました。

柳沼陽介さん

「こんなに自然に、天然に、山のくるみが豊富にあって、これがちゃんと流通するように整えることができれば、すごくチャンスもある」