震災の被災者や避難者向けに「まちなか保健室」 獨協医大・高瀬特任教授が「こらんしょ」開設

AI要約

獨協医大看護学部の高瀬佳苗(たかせかなえ)特任教授は、福島県から移り住んだ被災者や避難者を対象に健康相談を受け付ける「まちなか保健室こらんしょ」を開設した。

高瀬特任教授は福島県立医大での経験を生かし、無償で活動し、健康面の相談を受け付ける。

福島県外に移った被災者も健康や精神面での相談が届きにくい課題があり、本県に1200人ほどの避難者や被災者がいることを知り、保健室を開設した。

震災の被災者や避難者向けに「まちなか保健室」 獨協医大・高瀬特任教授が「こらんしょ」開設

 獨協医大看護学部の高瀬佳苗(たかせかなえ)特任教授は11日までに、東日本大震災後に福島県から本県に移り住んだ被災者や避難者らを対象に、「まちなか保健室こらんしょ」を開設した。3月まで福島県立医大に勤務していた経験を生かし、震災に関する悩みや健康面の相談などを受け付ける。

 獨協医大が進める地域貢献活動の一環として無償で取り組む。相談は電話やメールで受け付ける他、来校できる場合は同大地域共生協創センター内の応接スペースを活用する。

 高瀬特任教授は保健師の資格を持つ。2008年に福島県立医大に着任し、11年3月、東日本大震災が発生した。同医大近くの中学校が避難所になり、津波から逃れた避難者が千人以上身を寄せた。昼夜を問わず健康相談で巡回した。

 その後も福島市やいわき市の避難所を中心に、被災者から健康相談を受けた。

 福島県の県民健康調査にも携わり、数多くの被災者に寄り添ってきた。その時、福島県外に移った人に、健康や精神面での相談支援が届きにくいとの課題を感じたという。

 今年4月に獨協医大へ移ったのを機に、本県には1200人ほどの避難者や被災者がいることを知った。保健室開設について「使命感から何かしらのケアに携わろうと考えた」と話す。

 高瀬特任教授は「経験を基に、共感を持って接していく。『こらんしょ』は福島県の方言で『いらっしゃい』の意味。気軽に相談してもらえる場所にしたい」と語った。

 相談室への連絡は獨協医大地域共生協創センターが取り次ぐ。(問)同センター0282・87・2508。