森林無い自治体にも配られる「森林環境税」494億円もの税金が使われず積み立てに

AI要約

2024年度から始まった新しい税金「森林環境税」について。従来の復興特別税に代わる税金で、1人あたり1000円が徴収されるが実質的な負担は変わらず。

森林環境税の目的は日本の国土の約7割を占める森林の保全であり、年間600億円の税収見込み。

森林環境税の活用事例として、金沢市が林業大学校を整備・強化し、林業の担い手を育成している。

森林無い自治体にも配られる「森林環境税」494億円もの税金が使われず積み立てに

会社から受けとった納税通知書。よく見てみると、見慣れない税金の名前が書かれていませんか?

「森林環境税」?

2024年度から始まった、新しい税金なんです。実は、2023年までは、東日本大震災の復興のための「復興特別税」として、1人あたり年に1000円が徴収されていましたがこれが終わり、実質的な負担額は変わらない仕組みとなっています。

手取りの額はそのままで、税金の使い道は全く違うものになっており、森林環境税とはどんなものなのでしょうか?

6月1日から始まった、新しい税金「森林環境税」。日本の国土のおよそ7割を占める森林の保全を目的として、1人あたり年間1000円を住民税とあわせて徴収します。

納税の義務があるのは国内でおよそ6200万人、年間では600億円もの税収が見込まれています。

「森林環境税」見聞きしたことは?

街の人「ない。緑の保全とかのイメージですかね。一般市民は分からんと思うよ、それこそ山持ってる人とかなら良いと思うけど。」

納税者から徴収された森林環境税は、国が「森林環境譲与税」として都道府県や市町村に配分。これに先行して2019年度からは、国が一時負担する形で自治体への交付がすでに始まっていました。こうした税金は、どのように活用されているのでしょうか?

森林がおよそ6割を占める金沢市は、森林環境譲与税を活用し、林業大学校の整備・強化をはかります。

2009年に開校した金沢林業大学校。高齢化などを理由に、年々減少傾向にある林業の担い手の育成が狙いですが、卒業生94人のうち、樹木の伐採などといった森林整備に携わる人は半数ほどにとどまっています。

そこで、市では、林業の知識を幅広く学ぶ「基礎コース」に加え、専門知識を持った即戦力となる人材を育てるため、2021年度から森林環境譲与税を活用した「林業専門コース」の運営を始めました。

金沢林業大学校指導員・八尾克己さん「放っておくと草が肥厚して日光を遮るので、成長の妨げになる。単なる草刈りではなく植栽した苗木を育てるための作業。きっと彼らは研修修了後は林業に携わってくれるだろうと非常に頼もしい」

専門コースの研修生「自分の家が山を持っていて山の管理をしようと。自然や森林を守る誇りを持って頑張りたい。森林組合だったり、林業に入る予定。綺麗な山を次の世代に引き継げるようにしたい」