人はなぜ「社交不安」を感じるのか 臨床心理学者が解説

AI要約

社交不安症についての臨床心理学者の解説。社交不安がどのようなものか、緩和する方法はあるかについて詳しく説明。

社交不安症の特徴や影響、治療の重要性について。米国での社交不安症の頻度や社会生活への影響も紹介。

社交不安の起源、日常生活における影響、進化論的観点からの考察。内気な人や社交不安と一般的な不安の違いについても言及。

人はなぜ「社交不安」を感じるのか 臨床心理学者が解説

社交の場面でドギマギした経験は誰にでもあるだろう。だが、なかにはそうした場面で不安になりすぎる人もいる。「社交不安」とは何か、どう緩和できるのか、米国の臨床心理学者が解説する。

「パーティに参加すると、全員から見られていると感じます。鼓動は速まり、顔は赤くなり、胃も痛くなる。みんなが私を批判しているに違いない。私の容姿から、歩き方、話し方、食べ方までも。

そのうちに、社交的な場をますます避けるようになりました。不安に耐えられないからです。この孤立感に心が折れそうです」

こういった話を、社交不安を抱える私の患者たちからよく聞く。心理学者の私は、社交不安が、最も多い受診理由のひとつになっていることに気づいた。パンデミックも相まって、ソーシャルメディアや人とのバーチャルな関わり方が増えてきてからはなおさらだ。

社交不安症は、米国では2番目に多い不安障害だ(特定の恐怖症に次ぐ)。米国では成人および10代の若者の10人に1人ほどが、社交不安に悩んでいる。

社交不安症は、社交的または人前でパフォーマンスする場面で相当の不安を伴う。拒絶されたり、外見や行動のせいで恥辱を味わったりすることを強く恐れる。

社交不安がその人の仕事とか、人間関係の構築や維持、余暇やその他の活動(交通機関を利用したり、旅行したり、スポーツしたりなど)を著しく妨げるとき、われわれはそれを障害と診断する。社交不安症はたいてい幼児期や青年期に始まり、生涯にわたり続く。

他者が自分をどう見るか気にして、ときに社交場面で不安を感じるのはまったくもって普通のことだ。それは、われわれが進化してきた歴史の結果なのだ。原始人にとって、自分の部族から拒絶されるのは致命的なことだった。

それに、生まれつき内気な人もいれば、パーティの盛り上げ役の人もいる。内気は軽度の社交不安を示すものではあれど、精神障害と誤解されるべきではない。

社交不安に悩む人は、それを理解し、特定の有効な方策を用いることで、その不安を和らげたり克服したりできるようになる。