「私より給料がいいのに...」働かない先輩社員への怒りが生む、人間関係の軋轢

AI要約

仕事で同僚や先輩社員のフォローに疲れた際、ストレスがたまる状況やその原因について、労働者メンタルヘルスの専門家の視点から解説されています。

同僚の悪い段取りやミスによってストレスがたまる状況や、フォローに対する心理的負担が増大するケースなどが具体的に述べられています。

上司や本人自身がフォローを認識しておらず、相互理解が欠如している状況での対処法や課題についても掘り下げられています。

「私より給料がいいのに...」働かない先輩社員への怒りが生む、人間関係の軋轢

同僚の段取りの悪さやミスに振り回され、働かない先輩社員のフォローにストレスがたまる...どんどん余裕がなくなっていく職場でしんどさを軽くするヒントとは? 労働者メンタルヘルスの専門家である佐藤恵美さんによる書籍『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』から紹介します。

※本稿は、佐藤恵美著『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。

仕事の段取りが悪い。スケジュール感覚が甘い。書類の抜け漏れが多い。そんな同僚の仕事の様子をいつも気にしていなければならないようなフォローもあるでしょう。

【例】

後輩のAさん、そろそろ企画書の締め切りなのに、まだ提出していないみたい。声をかけても「大丈夫です」としか言わないから、今までそのままにしていたけど。はぁ......これどうするの。また自分がフォローしないと......。

自分は上司でもないし、チェックする役割を任されているわけでもない。でも、放っておけば、次の仕事がとまったり、お客さんに迷惑がかかったりする......。そんなことを考えると、どうしても放置できません。なんとなく相手に気を使いながら、目配り、気配りをして、ときには自分が代わって作業をする、ということになってしまいます。

新入社員や異動してきたばかりの人のフォローであれば、少しずつ負担は減っていく可能性が高いのですが、たとえば、どうしてもうまく仕事が進められない人のフォローには終わりが見えません。

さらに、フォローしていることが、当の本人や上司に認識されていない状況であれば、なおさら心理的負担感が大きくなります。たとえ上司に訴えても、「まあ、そこをうまくやってよ」なんてひと言ですまされることもあります。

当の本人は「自分はやっているつもり」「そのフォローは自分が頼んでいるわけではないので、相手が望んでやっている」という感覚を持っている場合もあります。そこに悪意はありませんが、相手の立場や気持ちをなかなかうまく推測できない特性がある場合もあり、ズレや軋轢が生まれてしまうのです。