スーパーの弁当活用…料理研究家がシニアに提案する“頑張らない”食生活「間食もお勧め」

AI要約

高齢者向けの健康的な食事について、料理研究家の村上祥子さんがアドバイスをする。

食事のバランスやタンパク質摂取の重要性について説明。

手軽な市販品を活用しつつ、野菜を重視して食事を補完する方法を紹介。

スーパーの弁当活用…料理研究家がシニアに提案する“頑張らない”食生活「間食もお勧め」

 年を取ると、日々の料理がおっくうになりがちだ。独り暮らしともなれば、台所に立つのが面倒な日もあるだろう。70代以上の「頑張らない」食生活について、西日本新聞生活面の料理レシピでおなじみの料理研究家、村上祥子さん(82)=福岡市=に話を聞いた。

 (特別編集委員・岩田直仁)

 村上さんは福岡県出身で、料理研究家として活動する傍ら、福岡女子大で栄養指導講座なども担当。現在は福岡市を拠点にレシピの開発、料理本の執筆、講演などに取り組んでいる。

 2014年に夫が亡くなり、独り暮らしになった。「喜んで食べてくれる人がいないのは寂しいものです」と語りながらも、「ちゃんと食べてちゃんと生きる」というモットーは、まったく揺るがない。

 「まずは『赤黄緑』の3色の栄養をバランスよく取ることが大切。『赤』は体をつくるもとになる肉や魚、卵、大豆製品などのタンパク質。『黄』はエネルギーのもとになる米、パン、麺類など。炭水化物ですね。野菜、海草などの『緑』は、ビタミンが豊富」

 「肉を食べることが減った」という高齢者は少なくないが、「タンパク質はとても大切」と強調する。村上さんは、毎食30グラムのタンパク質を取ることを心がけているという。

 「体は新陳代謝を繰り返すので、タンパク質を取り込まないと、どんどん虚弱(フレイル)になっていく。お肉が好きな高齢者には元気な人が多い。かみやすい薄い肉を使って料理する、ご飯に卵をのせる、牛乳を飲むなど、工夫してタンパク質を取ってください」

 料理研究家ながら、「料理しなければと思い込まないでほしい」とも語る。

 「スーパーやコンビニにはおいしくて、栄養バランスがよい弁当がたくさんあります。ただし、3色には気を配って、『緑が不足』と思えば、野菜を使った総菜を加えてください」

 「市販の煮物はやや濃い味ですが、100グラム当たり、大さじ2の水を加えて電子レンジでチン(レンチン)して、余分な汁を捨てるとマイルドになります。冷蔵庫の野菜で増量してレンチンしても、塩分が抑えられる。一手間加えることでおいしく、栄養のバランスもよくなります」