【50代・体験談】実家の断捨離。母が捨てたくない「パンドラの箱」とは?手放して、身も心も軽く

AI要約

母親の骨折を機に実家の断捨離を始めた堀井あんさん。母の大切にしているものを捨てずにリサイクルショップに持っていくことで、心も軽くなったエピソード。

片付け始めたキッチンでの出来事から、大切なものを勝手に捨てないことの重要性を実感した堀井さん。

家族の尊重と理解を示すことが、大切なものを失うことを避ける一助となることを学んだエピソード。

【50代・体験談】実家の断捨離。母が捨てたくない「パンドラの箱」とは?手放して、身も心も軽く

実家の片付けをしたことはありますか?読者の堀井あんさんは、母親が骨折し長期入院したことをきっかけに実家の断捨離を始めたそう。まだ使える物を捨てることに罪悪感を抱きつつ、気が付いた「心も軽くなる手放し方」とは?

母の世話のために、還暦を目前に仕事を辞めて実家へ戻った堀井あんさん。

昭和一桁生まれの母は物のない時代を過ごしたため、「ものを無駄にしない、大切にする、もったいない」という考えが深く刷り込まれていると言います。

しかし、家の建て替え以外では引っ越しをせず、捨てることに罪悪感のようなものを抱きながら60年以上も同じ家に住み続けた結果……。

「使っていないものがたくさんあることが私にはある意味不快で、重くのしかかっていました」と堀井さん。

その母が骨折し、長期入院することに。

「これを機に、実家を片付けようと決意しました。まだ使えるものはメルカリやリサイクルショップに出そう。売れないものは、ごみとして少しずつ捨てていこう」と断捨離を始めました。

キッチンから少しずつ片付け始めた堀井さん。

「鍋と蓋がバラバラになっていたので、まずはそれらを正しく組み合わせることから取り掛かりました。結果として、なぜか蓋が余ってしまいました……。

食器棚の片付けでは、ふちが欠けたりしているもの、ソーサーしかないものや、企業名が入っているようなものは迷わず処分。金属の調理用道具は、もう使うこともないだろうと思いながらもなぜか処分することができず、床下収納へ移動させました。

昔使っていた食器は、子どもの頃にこのお皿でケーキを食べた時の特別感のようなものが甦り、捨てるのはもったいないなと感じ始めてしまいました。

捨てるのではなくリサイクルショップへ持っていこう。誰かに使ってもらえたら、まだ使えるものを捨てたという罪悪感も薄くなると思ったのです」

後日、退院してきた母がきれいに片付いたキッチンを見て、調理器具をしまっていた引き出しを開けたときのこと。思いもよらない一言が、堀井さんに発せられたのです。

「ここにあった道具はどうしたの? まさか捨ててないよね? あれは勤務先の人から結婚祝いにもらった記念の品物なの」

「え~っ!? そんな話、初めて聞いたよ、そんなに大切なものだったのか……」と堀井さんは心底驚いたと言います。

運よく、それらを捨てずに床下収納にしまっていたので「もちろん捨ててないよ。ほら」と言って床下収納から取り出し、母の目の前に並べて見せたそう。

安心したようにうなずく母の姿を見て、堀井さんははっとしたのだそう。

「もし自分が留守にしている間に、掃除とはいえ家の中を勝手に整理され、大切にしていたものを捨てられてしまったら……。

きっと私は怒りまくるでしょう。

その品物がどれだけ自分にとって意味のあるものなのかは、その人でないとわかりません。

なんでも勝手に捨ててしまってよいわけではないなと反省しました」