悔しすぎます…世帯年収1,600万円の50代共働き夫婦、54歳妻が「住宅ローンの繰り上げ返済」を大後悔。“自慢のタワマン”を泣く泣く売却したワケ【FPの助言】

AI要約

国土交通省の調査によると、約8割以上の注文住宅購入者が住宅ローンを利用しており、繰り上げ返済を考える人も多い。

繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別にまとまった金額を返済し、総支払額を減らすことができるが、注意点もある。

繰り上げ返済のデメリットとして、資金が減少してしまい、予期しない出費に備えることの重要性が示唆される。

悔しすぎます…世帯年収1,600万円の50代共働き夫婦、54歳妻が「住宅ローンの繰り上げ返済」を大後悔。“自慢のタワマン”を泣く泣く売却したワケ【FPの助言】

国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅(新築)購入者のうち約8割以上が「住宅ローン」を利用しているそうです。住宅ローン利用者のなかには、できれば早く返してしまいたいと「繰り上げ返済」を検討、実行している人も多いと思いますが、繰り上げ返済には思わぬ落とし穴があります。事例をもとに、住宅ローン繰り上げ返済の注意点と対策をみていきましょう。石川亜希子FPが解説します。

マイホームを購入する際、多くの人は住宅ローンを利用することになります。国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅(新築)購入者で約83%、分譲集合住宅購入者で約60%が住宅ローンを利用し、返済期間は多くの場合30年以上を選択しています。

実際に住宅ローンの返済が始まると「繰り上げ返済」したほうがいいかな? と気になる場面もあるでしょう。実際、筆者も繰り上げ返済をしていました。

繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別にまとまった金額を返済することです。返済は全額元金に充当されるため、その元金にかかる利息も支払う必要がなくなり、結果として返済総額を減らすことができます。

繰り上げ返済には、その時点での残りの元金を全額返済する「全部繰り上げ返済」と残りの元金の一部を返済する「一部繰り上げ返済」があります。私たちがイメージする繰り上げ返済は「一部繰り上げ返済」を指すことが多いかもしれません。

この「一部繰り上げ返済」には、(1)「返済期間短縮型」と(2)「返済額軽減型」の2種類があります。

(1)「返済期間短縮型」は、毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮する方法です。一方、(2)「返済額軽減型」は、返済する期間は当初のまま、毎月の返済額を少なくする方法です。

(1)の場合は総支払額が少なくなるというメリットがあり、(2)は、毎月の負担額が軽減されるというメリットがあります。そのため、「資金に余裕ができたら、なるべく繰り上げ返済をして、借入金を少しでも減らしたい」という考えの人も少なくないでしょう。

しかし、繰り上げ返済には、デメリットも存在します。

繰り上げ返済による最大のデメリットは、当たり前ですが、手元にある資金が減少してしまうことです。

無理に繰り上げ返済を行った結果、“想定外”の出費で資金が枯渇し、首が回らなくなるケースが発生してしまうのです。