住宅ローンを返済中です。7月と12月のボーナス時しか繰り上げ返済できないのですが、少しでも利息の支払いを減らすため、もっと頑張るべきですか?

AI要約

住宅ローンを返済中のAさん。繰り上げ返済のメリットや注意点、返済計画の工夫について考えています。

長期の住宅ローンでは元利均等方式で利息が先に減らないため、焦る気持ちもある。手数料や家計運営とのバランスを考えながら繰り上げ返済を検討する必要がある。

無理のない返済計画や余裕資金の確保が重要であり、工夫次第で繰り上げ返済が効果的な場合もある。

住宅ローンを返済中です。7月と12月のボーナス時しか繰り上げ返済できないのですが、少しでも利息の支払いを減らすため、もっと頑張るべきですか?

住宅ローンを返済中のAさん。7月と12月のボーナス時には繰り上げ返済をしています。しかし少しでも利息の支払いを減らすために、もっと頑張って、できるときにどんどん返済すべきか悩んでいるとのことです。

長く続いていた超低金利時代から脱却の動きが見られ、住宅のように長期でローンを返済していく場合には不安ですよね。そして、少しでも利息負担を軽減したいと考えるのは当然のことです。

シミュレーションでローン返済計画表などを見てもお分かりのように、長期の住宅ローンで元利均等方式(利息と元金を併せた返済額を同じにする。

元金返済に比べて、月々の負担が軽減される)の場合、当初は利息の支払いに充てられ、元本が減っていくのはかなり先になってからです。変動金利適応でいつまでも元本が減らない一方で金利が上昇してくのを考えれば、焦る気持ちも理解できます。

繰り上げ返済で確認していただきたいのは手数料です。オンライン経由でいつでもいくらからでも好きなタイミングで無料での繰り上げ返済ができる契約もありますが、有料のものもあります。ご自分で有料なのか無料なのか確認いただき、有料の場合は、頻繁な返済実行をする前には慎重に検討したほうがよいかもしれません。

手軽に繰り上げ返済ができるからといって、「繰り上げ返済」至上主義にならないように注意しましょう。ローン契約を締結したときには「繰り上げ返済をしなくても十分に返済可能」という前提だったはずなので、返済を急ぐあまり日頃の家計運営に必要以上にしわ寄せが行ってしまう、ということのないように気をつけてください。

一般的には、無理のない住宅ローン返済計画は、家計収入の3分の1をめどにといわれています。早くローン返済を終わらせたいからと無理をして日常の家計を圧迫してしまって、カードローンに頼ったり、リボ返済に変更してしまったりしては本末転倒です。

家計運営は生きている限り続く超長距離走です。その間には想定していなかったことが起こった結果、毎月の収支が赤字になる可能性があります。

自分の勤務先の変化、それに伴う退職や転職、家族の体調の変化や引っ越し、親の介護など、思わぬところでまとまった出費を用意しなければならなくなったときのために、自由に引き出せる余裕資金も備えておくのが理想です。

このような対応をしたうえで、お金の使い方の工夫でねん出した余裕資金で、繰り上げ返済手数料がかからないのであれば、積極的に返済に充てるのは望ましいといえるでしょう。

執筆者:柴沼直美

CFP(R)認定者