日本の頂点「東大・京大」でもダメ…アメリカのトップ校で囁かれる「厳しい評価」

AI要約

日本の18歳人口が減少し続けている中、大学はどのような対策をとっているのかについて井沢秀氏の見解を紹介。大学は優秀な学生を確保するために取り組んでおり、留学生の受け入れやグローバル教育の重要性が高まっている。

生き残る大学とは、どのような人材を育成し、地元や社会に貢献するかが重要。早稲田大学などは優秀な学生を集める姿勢を示しており、地方の大学も地元に貢献できる人材を育てる必要がある。

東京大学や京都大学などの名門大学でも課題はあり、グローバル教育や評価が重要視されている。志願者の獲得だけでなく、生徒の育成や社会への貢献も考慮される必要がある。

日本の頂点「東大・京大」でもダメ…アメリカのトップ校で囁かれる「厳しい評価」

2023年10月に文部科学省が発表したデータによると、2005年におよそ137万人だった我が国の18歳人口は、現在112万人。2035年には約96万人となり、初めて100万人を割り込むそうだ。減少の歯止めが効かない2040年には、およそ82万人になるという推計もある。

少子化が進む昨今の日本で、大学は生き残りを懸けてどのような動きを見せるのか、前回『潰れる大学・生き残る大学…私立大では早稲田が圧倒的に優れていると言える「納得の理由」』に続き、『大学通信』の情報調査・編集部部長である井沢秀氏に見解を訊ねた。

「これまでと同じような人数を採っていたら、学生の質が下がってしまいますね。名門大学は、今、早稲田がやっているように、学生を絞って優秀な子を確保していく策を続けていくでしょう。東大だったら大学院大学になっていくとか。そして、留学生の確保ですね、東大もこれまで以上に留学生を入れるようになるのかな。

今、アジアは日本を通り越して欧米に行ってしまいますが、日本で働いてくれる人、知的な子をいかに獲得して育てるかにかかってくるんじゃないでしょうか。東大、京大に進学する子に愛想をつかされないかも大きな要素になりそうです。

現在定員割れが続いている東大の学校推薦型選抜は、定員の100人に達したら、さらに増やすと思うんですよ。生き残るには、マスの教育じゃなく、世界を見ている子たちの育成しかないと考えております」

日本でトップに君臨する東京大学・京都大学であっても、語学教育はダメだ、グローバル感が足りないという声が聞こえてくる。米国内でAランクに入るカリフォルニア州立大学サンディエゴは、京大からの留学生を受け入れているが、米国人のクラスメイトにとってはコミュニケーションに難がある内気な学生という印象しか受けない、という現地の感想を耳にした。

「生き残る大学は、どういう人材を送り出していくか、また、地元からどれだけ評価されるか、でしょうね。どちらかといえば、志願者を獲得することに重きを置く大学が多いです。でも早稲田みたいに、受験料は減ってもいいから優秀な学生を集めたいという志を示しているところもある。

早稲田は全国規模で優秀な学生が集まりますが、地方の大学でも地元に貢献できる子をどう育てるか。そういった出口が大事なんじゃないでしょうか。東大、早稲田ならグローバルな人間、でも地方の大学はドメスティックな人材でいいと思うんですよね。じっくり育ててあげることが鍵なのかなと私は思います」

名門私大とされる他の大学はどうなのか。後編『東大に合格する学生に変化…年収の高い親が「今、子どもを入学させたい」大学』に続く。