連続テレビ小説『虎に翼』で描かれる“生理” 話題のシーンを振り返る

AI要約

連続テレビ小説『虎に翼』で描かれる女性特有の不調に焦点を当てる。作品が過去を描いているようで、現代の女性たちの悩みとリンクする内容に注目。

朝ドラ初の生理に関する描写について、プロデューサーや脚本家のインタビューから興味深いエピソードを明らかに。

3つの代表的な生理に関するシーンを紹介し、物語が描く女性の葛藤や悩みについて考察。

連続テレビ小説『虎に翼』で描かれる“生理” 話題のシーンを振り返る

ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは、『虎に翼』で描かれる女性特有の不調。連続テレビ小説『虎に翼』で生理に関する描写がたびたび登場し、話題に。作品から不調との向き合い方を考えます。

過去のことを描いているようで、現代を生きる人たちの身に起きていること。

男女ともに“当たり前”に不調を言える社会に。

日本で初めて女性として弁護士、裁判官、裁判所長のそれぞれを務めた三淵嘉子をモデルにしたヒロイン・寅子 (ともこ) の成長を描く連続テレビ小説『虎に翼』。作品中で、女性特有の不調についての描写がたびたび登場し、話題を集めている。朝ドラでは画期的ともいえる生理に関する悩みや葛藤を取り上げた理由を、プロデューサーの石澤かおるさんに伺った。

「打ち合わせが本格的に始まる直前に、『虎に翼』の脚本の吉田恵里香さん、演出 (第3週ほかを担当) の橋本万葉さんと『生理のおじさんとその娘』というドラマを制作しました。そのため、誰かのアイデアが主導となったというよりは、自然と“朝ドラでも生理のエピソードを描きたい”という話になりました。実際に資料などを読むと、そう多くはないですが、当時 (昭和初期) の女性たちも同性間では生理について話題にしていたこともあったようです。演出の橋本さんは当時の生理用品などについてもかなり調べ、“時代錯誤”な描写にならないように、十分に準備をしてから臨みました」

朝ドラで生理について描くというのは、画期的なこと。局内からの反対などはなかったのだろうか? 

「実は局内で反対されるようなことは、とくになかったんです。やりたくても今までやれていなかったというよりは、やっていないことに誰も気づかなかったのだと思います。“あるもの (生理) が、なかったことにされていた歴史”の長さについて、改めて感じました。『朝から見たくない』というご意見もかなりあるのではと予想していたのですが、否定的なご意見はそれほどありませんでした。『普通のこととして描いていたのがよかった』という声もいただき、毎日見ていただく朝ドラだからこそ、できたことの一つなのかなと。年齢や性別ではなく、ご自身の置かれてきた環境によって反応はさまざまなのだとも感じました」

生理によって思うように試験や仕事ができなかったり、出産によってキャリアが断たれたりと、寅子が抱える女性特有の悩みは今も多くの女性たちが抱えていること…。

「カラダのことに限らず『虎に翼』は過去のことを描いているようで、現代を生きる人たちの身に起きていることを描いているのだと思います。でも確かに変わった部分もあって、そこは前の時代を生きた女性たちのおかげ。そういった気づきにもなれば、非常にうれしいです。また女性に限らず男性も、不調を“恥ずかしいこと”としない表現が、今後もっと増えていくといいなと思います」

生理について描かれた話題の3つのシーン

SCENE 1/第3週:カラダに関する悩みが、距離が近づくキッカケに。

法廷劇「毒まんじゅう」事件の“まんじゅう”を学生たちが寅子の自宅で再現。それぞれが抱える弱音や怒りを打ち明け合い、互いの距離が近づいていくシーンにて、生理痛のつらさなどについても語られた。

SCENE 2/第3週:“月のもの”の痛みに効くツボで、教室内が明るく。

上記ののち、教室で同級生のよねが急に寅子の足元にひざまずき“月のもの”の痛みに効くツボとして「三陰交」を教える場面が。その様子を見て、周囲の学生たちも教えてほしいと集まり、和やかな雰囲気に。

SCENE 3/第6週:高等試験の日、生理痛で実力を発揮できなかった寅子。

寅子が高等試験 (司法試験) の2次試験に臨む場面で、予定よりも早くきた生理の痛みに悩まされる場面が。生理によっていつもの元気が出ないまま口述試験を行い、不本意で帰宅後に泣き崩れる寅子の姿が描かれた。

連続テレビ小説『虎に翼』

毎週月~金曜8:00~・NHK総合にて放送中。BSとBSプレミアム4Kは7:30~放送。その他、再放送あり。NHK

石澤かおるさん NHKメディア総局第3制作センター (ドラマ) プロデューサー。2008年NHK入局。『虎に翼』の脚本家の吉田恵里香さんとは『生理のおじさんとその娘』でもタッグを組んでいる。

※『anan』2024年7月17日号より。

(by anan編集部)

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