「60代なのに血管年齢は30代」の名医の血管ケア、夏の血液ドロドロを今すぐ解消!

AI要約

心筋梗塞は冬に起きやすいイメージがあるが、実は夏も危険度は高い。暑さによる脱水が血栓を引き起こす可能性があり、血管の健康にも留意が必要。

女性は更年期を境に血管の老化が進みやすい。動脈硬化が血栓の原因となり、血管内のこぶが形成されやすくなる。

生活習慣の見直しで血管を若返らせることが可能。血管の健康は心臓の負担軽減につながり、長生きの基盤となる。

「60代なのに血管年齢は30代」の名医の血管ケア、夏の血液ドロドロを今すぐ解消!

「心筋梗塞は冬に起きやすいイメージがあるかもしれませんが、実は夏も危険度は高い。発症率は決して低くありません」

 そう警鐘を鳴らすのは、血管や心臓など循環器系のエキスパートである池谷敏郎先生。観測史上最も暑かった昨年を上回る猛暑と予想されている今年の夏、自分の命を守るためには熱中症対策だけでなく、“血管の健康にも留意が必要”と注意を促す。

 冬の心筋梗塞は血圧の急激な変動によって引き起こされることが多いが、夏の原因は暑さによる脱水。血液中の水分が減ってドロドロになり、血栓ができやすくなる。

「“夏血栓”という言葉があるくらい、そのリスクは高まります。ゴルフなどで炎天下で長時間過ごしている時に突然発症することも珍しいことではありません」(池谷先生、以下同)

 さらに、血管内の脱水は全身で起きるため、心筋梗塞だけでなく、脳の血管が詰まって起きる脳梗塞などの発症率も夏は高まる。

女性は更年期を境に血管の老化が加速!

 とはいえ、猛暑による脱水が即、血栓につながるわけではない。そもそもの原因は、血管の動脈硬化、すなわち“血管の老化”だと池谷先生は指摘する。

「動脈硬化は、血管の壁が厚く硬くなる現象です。血管が狭くなって血流が悪化し、詰まりやすくなるだけでなく、内側にプラークと呼ばれる“こぶ”ができ、それが傷ついて破れ、血栓が生まれてしまいます」

 特に、女性は更年期以降に動脈硬化が急激に進むので注意が必要だ。

「女性ホルモンのエストロゲンは、血管を柔軟にするなど、動脈硬化の抑制につながる働きをしてくれます。更年期で女性ホルモンが減少していくと、それに伴って血管の老化が加速していくわけです。

 首の血管の状態をエコーで確認すると、50代後半の女性の約2割に血管内のこぶが確認できます」

 女性にとって、健康な血管を維持できるかどうかのターニングポイントは50代だと話す池谷先生。何もしなければ血管は老化の一途をたどるが、食事や運動などの生活習慣を見直すことで、血管をしなやかに若返らせることもできると話す。

「血管が健康で血流がスムーズな状態にあれば、全身に血液を送る役割を果たす心臓の負担も軽減。狭心症や心不全といったトラブルも回避できます。“血管力”を高めることは“心臓力”のアップにつながり、若々しく長生きできる土台となるのです」