雨の日は頭痛が… 栃木県民の7割超が「天気痛」 対策は? 専門医に聞く

AI要約

気圧の変化による体調不良「天気痛」の影響について説明されている。県民の7割以上が天気痛持ちであり、特に頭痛が多いとされている。

片頭痛の要因や予防方法について述べられており、生活リズムの安定や適切な水分補給が重要であることが強調されている。

頭痛の種類や治療法について詳しく説明されており、自己判断や市販薬の乱用に注意が呼びかけられている。

雨の日は頭痛が… 栃木県民の7割超が「天気痛」 対策は? 専門医に聞く

 「雨の日は頭痛がして体がだるい」「梅雨や夏は耳鳴りがする」-。気圧の揺れで生じる体調不良は「天気痛」と呼ばれる。気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)が昨年行った調査では、県民の7割超が「天気痛持ち」と回答した。県内の専門医は「天気痛の中でも頭痛については、片頭痛に備えることが対策につながる。規則正しい生活を心がけてほしい」と呼びかけている。

 天気痛は主に気圧の変化が影響し、梅雨や台風接近時に頭痛やめまいなどの不調を感じる人が多いとされる。同社によると、本県回答者の発症率は72・6%で、全国8番目の水準だった。

 宇都宮脳脊髄センター・シンフォニー病院(宇都宮市宮みらい)の脳神経外科・金谷英明(かなやひであき)医師は、天気痛は医学用語ではないとして「県内でも地形や標高など場所によって条件は異なる。一概に多いとはいえない」と指摘。自身も幼少期から片頭痛持ちであり「気圧や気温の変化、高い湿度や雷などが片頭痛の一因になり得る」とした。

 片頭痛の要因は音や光、湿気、気圧の低下、ストレス、疲れ、寝不足、空腹など人それぞれ。急激に暑くなった今春は、頭痛を訴える来院者が多かったという。

 予防には決まった時間の起床や就寝、1日3回の食事など生活リズムを安定させることが一番。今の時季は熱中症が原因になることもあり、十分な水分補給や適切なクーラーの使用が欠かせない。

 頭痛は367種類に分類され、検査で異常が見当たらない「一次性頭痛」と、くも膜下出血や脳腫瘍などの疾患が原因の「二次性頭痛」がある。日本人の約40%が頭痛持ちとされ、片頭痛や緊張型頭痛などは「一次性頭痛」に当たる。

 金谷医師は「危険なのは自己判断し、痛み止めや市販鎮痛薬の使用過多に陥ったり、二次性頭痛を見逃したりすること」と警鐘を鳴らす。特に、市販薬の飲み過ぎ(週に3日以上)の期間が長いと、慢性期に入り、治療が遅れることもある。

 「近年、片頭痛治療が進み、皮下注射で投与する予防薬などで改善される例も増えた」と金谷医師。「我慢や市販鎮痛薬への依存を続けず、まず専門医に相談してほしい。自分の頭痛を正しく知ることが対策への第一歩」と強調した。