【更年期、漫画家・槇村さとるさんの場合／インタビュー前編】不調が押し寄せる「更年期の本編」は、閉経後にやってきた
槇村さとるさんの更年期体験を振り返ると、40代で更年期の兆候を感じ始め、体のメンテナンスに取り組むようになった。
50歳で突然倒れ、閉経を迎えた後、54歳で胆のう結石の手術を経験した。55歳から更年期の症状が本格化し、うつ状態や体調不良に苦しんだ。
58歳でHRT開始や甲状腺病の治療を始め、体調が改善。60歳から社交ダンスを始め、現在は週に6日もダンスやバレエを行い、元気な毎日を送っている。
1970年代から漫画でさまざまな女性の生き方を描き続け、デビュー50周年を迎えた槇村さとるさん。若い頃から、槇村さんの漫画に勇気づけられてきた人も多いはず。現在67歳。50歳前後に訪れることが多い更年期をどう乗り越えたのだろうか？ 実は、あの素敵な世界観を紡ぎ出しながら、体調不良に苦しんだ時期もあったのだ。
《MY更年期STORY》
■40代：更年期の始まりを感じる
■50歳：街中で突然倒れる
■51歳：閉経
■54歳：胆のう結石のため胆のう摘出手術
■55歳：ここからが「更年期の本編」スタート。体力の衰えを感じる。十二指腸潰瘍、貧血と病気が続き、体重が10kg減少。うつ状態に
■58歳：HRT（ホルモン補充療法）開始。甲状腺の病気「橋本病」もわかって同時に治療開始。体調が上向きに
■60歳：社交ダンスを始める
■67歳（現在）：週に6日はダンスやバレエを行うほど元気に
連載が途切れない売れっ子漫画家という職業柄、無理をするのが普通だった20代、30代。頑丈に生まれたから、多少無謀なことをしても大丈夫と思っていた槇村さんが、めまいを経験したり、膝が痛くなったりしたのは40代だった。
「知識だけはあったので、“これは更年期の始まりかもしれない”と思いました。仕事に支障があってはいけないからと、体のメンテナンスに時間を割くようになったのもその頃。
冷え症を改善するために運動したり、食生活を見直してみたり。その甲斐あってか、40代後半はいい感じで過ごすことができていたと思います」
ただならぬ異変を感じたのは50歳のとき。街の中で突然、全身の力がガクッと抜けたように崩れ落ちたのです。その日は、ちょうどその後に取材が入っていて、撮ってもらった写真を見ると…。
「元気のないシワっぽいおばあちゃんがいるじゃないですか。なんだかちっちゃくて、『へー、これは誰？』みたいな。それまでいい感じで過ごせていると思っていたので、突然そんなことが起きたことが不思議で、われながらすごく印象的だったんですよね。それからほどなく、51歳頃に閉経しました」
そして、強烈な腹痛に襲われたのが54歳のとき。
「痛みに耐えかねて調べてもらうと、胆のうに大きな結石、胆石が見つかり、胆のうごと手術で摘出しました」
