もうため息すらつけないのか…若手社員が訴える“フキハラ”に管理職は嘆き節

AI要約

テレビの報道番組でも取り上げられたり、耳目を集めるようになってきた「フキハラ」という言葉。不機嫌ハラスメントの略だ。

職場にもいる不機嫌な態度や口調で若手にプレッシャーを与える上司。具体的な不満が発生し、上司とのコミュニケーションに関する調査でも不満が高い割合で報告されている。

メンタルヘルスの取り組みや最新の企業アンケート調査結果では、フキハラ的要素がある上司によるストレスが若手社員に深刻な影響を与えていることが示されている。

もうため息すらつけないのか…若手社員が訴える“フキハラ”に管理職は嘆き節

 テレビの報道番組でも取り上げられたり、耳目を集めるようになってきた「フキハラ」という言葉。「不機嫌ハラスメント」の略だ。

 職場にもいるだろう。不機嫌な態度や口調で若手にプレッシャーを与える上司。あいさつをしてもそっけない態度で、いつも不機嫌そうにしている同僚は面倒くさい。ゼネコン勤務の40代マネジャーはこうこぼす。

■「ハラ・ハラ」では?

「上司のため息が怖いとも報じられていましたけど、人間ですから無意識にため息をつくことだってあるでしょ。感情を一定に保つことは社会人に必須のスキルとはいえ、それもハラスメントなんて、何でもハラスメントと文句を言う“ハラ・ハラ(ハラスメント・ハラスメント)”ですよ」

 いろんなハラスメントがあるものだと半笑いでやり過ごせないのが、管理職のつらさか。

 弁護士・法律事務所を検索できるポータルサイト「ベンナビ労働問題」(運営:アシロ)が12日に公表した上司とのコミュニケーションに関する調査によると、8割近くが上司に不満があって、約67%が、上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがあると回答。

 具体的な不満については「指示があいまい」がトップで、「振られる仕事が多すぎる」「話しかけづらい」「人によって態度を変える」「話す時間がとれない」「リーダーシップがない」「気分屋」「話を聞いてくれない」「評価が公正でない」「決断力がない」がワースト10だ。

 フキハラ的な要素がある上司にも不満が募りやすいのは“ほぼ確”。さらに問題なのは日本生産性本部のメンタル・ヘルス研究所が昨年11月に公表したメンタルヘルスの取り組みに関する最新の企業アンケート調査結果で、心の病が最も多い年齢層について10~20代との回答が約44%に急増、初めて30代(約27%)を上回って心の病が最も多い世代になったことだ。

 フキハラで新人、若手を壊した上司なんて汚名を着せられたら、ため息すら出ないだろう。

「20代の若手には、いちいち言葉で説明する必要があります」と、明大講師の関修氏(心理学)はこう続ける。

「面倒でも、どういうことにプレッシャーやストレスを感じるのか〈教えてほしい。できることは改善する〉と聞く。〈無意識のため息は誰でもある。他意はない〉と説明する。顔色をうかがっているだけでは部下に何も言えなくなるし、上司も部下もお互いにストレスになるだけで、共倒れになりかねません。忖度は百害あって、です」

 やるしかないか。