X線観測衛星「チャンドラ」、観測終了の可能性–NASA予算削減の影響

AI要約

米航空宇宙局(NASA)の予算削減により、X線観測衛星「Chandra」の運用が継続困難となる可能性が浮上している。

2025年度の予算案ではChandraの予算が40%カットされ、さらに2029年まで削減される予定。

Chandraとハッブル宇宙望遠鏡(HST)の今後の選択肢を検討中で、運用継続のためには他のプロジェクトが中止される可能性がある。

X線観測衛星「チャンドラ」、観測終了の可能性–NASA予算削減の影響

米航空宇宙局(NASA)に設立された、ある委員会は、2025年度予算で提案された予算削減ではX線観測衛星「Chandra」の運用が継続できないと結論づけた。海外メディアのSpaceNewsが報じた。

 2025年度の予算案では、NASAの科学予算が10億ドル(約1500億円)削減されており、これによりChandraの予算を40%カットし、2029年までさらに削減することが盛り込まれている。

 NASAは「Operations Paradigm Change Review」と呼ばれる委員会を設立。委員会に提案された4つの選択肢のうち、Chandraの運用停止は予算に収まる唯一の選択肢だという。残りの3つの選択肢は、その能力を縮小するというものだ。

 NASAは現在、Chandraとハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)の今後の選択肢を検討している。どちらの運用も停止するつもりはないが、以前のレベルで運用し続けるなら、他のプロジェクトを中止することになると指摘している。

 Chandraは1999年7月にスペースシャトル「Columbia」で放出された。2024年で25年になるX線での観測活動は、X線天文学に大きな成果をもたらしたと評価されている。