「夫にゴミ出しすら頼めなかった」長山洋子(56)乳がんを経験してたどり着いた人生の意味「もっとわがままに生きよう」

AI要約

長山洋子さんは乳がんの治療を経験し、人に頼ることを覚えたことで人生が変わったと語る。

病気をきっかけに自分を大切にすることの重要性に気づき、他人の目を気にせずに自分の気持ちを優先することを決意する。

自分を大切にすることで社会的なプレッシャーにも無頓着になり、気軽に人に頼めるようになったと述べる。

「夫にゴミ出しすら頼めなかった」長山洋子(56)乳がんを経験してたどり着いた人生の意味「もっとわがままに生きよう」

歌手として40年のキャリアをもつ長山洋子さん。2019年に初期の乳がんが見つかり、 全摘手術を受けました。治療の日々は苦しかったものの、意外なプラスの変化もあったそう。もともと人に甘えたり頼ったりするのが苦手だったのが、病気がきっかけで「いい意味でわがままが言えるようになった」といいます。(全4回中の2回)

■人に頼れなかった人生が乳がんで変わった

── 51歳で乳がんを経験されました。病気を通じて、ご自身のなかで気づきや変化はありましたか?

長山さん:病気になって初めて人に頼ることを覚えて、人生が大きく変わりました。もともと私は、人に甘えたり、周りに頼ったりするのが苦手で、なんでもひとりでやってしまうところがあったんです。「これを頼んだら申し訳ないかな」とか「負担に思われないだろうか」と、相手がどう感じるかを考えてためらってしまい、それなら自分でやってしまうほうがラクだなと思っていました。つらい気持ちを打ち明けることも苦手で、いろんなことをため込んでしまっていたんですね。長年のそうした積み重ねが、ストレスの原因になっていたと気づき、「もっと自分を大切にしなければ」と、思うようになりました。

── そうだったのですね。ご自分を大切にしようと思われたきっかけは、なんだったのでしょうか。

長山さん:病気を経験し、自分の人生や命というものと向き合ったときに、これまで無理をして頑張りすぎていたなと、すごく感じたんです。もっと肩の力を抜いてラクにやればよかったのに、それができずにもがいて苦しかった。他人からどう思われるかを気にしすぎて、いろいろと抱え込みすぎていたんですね。心と体を健やかに保つには、まずは、私自身の気持ちを優先することが大事。自分をないがしろにしてはいけないんだなと痛感しました。

そう思ったら、他人の視線がまったく気にならなくなったんですよね。「わがままだな、あいつはと思われたっていいや。だって私がそうしたいだもん!」と吹っきれたんです。誰かに何かをお願いするときも、「ここは甘えよう」といちいち気負わず、自然と頼めるようになりました。