「あなたのような(太めの)体形の女性がスクリーンで体をさらすなんて、勇気がありますね」に何と答えた?

AI要約

Netflixのドラマ「ブリジャートン家」が異例のヒットとなり、ヒロインのニコラ・コフランに注目が集まる中、彼女の自信とウィットが偏見に対抗する姿勢を示している。

自己肯定が幸福をもたらすことを訴え、偏狭な価値観にとらわれず自分を大切にする姿勢を持つことの重要性を説く。

自尊心を持ち、自分を愛し尊重することが魅力や幸せにつながることを示唆する。

「あなたのような(太めの)体形の女性がスクリーンで体をさらすなんて、勇気がありますね」に何と答えた?

世界のラグジュアリー人脈に通じ、社交界の裏事情にも詳しい謎の有閑マダム、カトリーヌ10世さんが、日本の男性諸氏が陥っている、ファッションと恋愛の無自覚・無意識の怠慢に覚醒を促し、読者を洗練へと導く連載です。今回のテーマは……。

Netflixのドラマに「ブリジャートン家」があります。19世紀ロンドンの社交界を舞台にしたロマコメですが、貴族役に多様な人種を配置したり、愛情交換シーンが18禁的だったりと何かと話題を振りまいています。

シーズン3のヒロインに抜擢されたニコラ・コフランも物議をかもしました。従来ならばコミック的な役として使われてきた豊満な体形の女性だったからです。結果として、恋愛ものヒロインとしてニコラ・コフランは遜色なく輝き、ドラマも大ヒット。 

とはいえ、偏見というのは簡単にはなくならず、ダブリンでのプレミアで、ニコラはこんな言葉を浴びせられます。「あなたのような(太めの)体形の女性がスクリーンで体をさらすなんて、勇気がありますね」と。

そんな失礼に対し、ニコラは傷つく様子も恥じる様子もなく、にこやかに答えるんです。「ええ、私のような体形にとっては大変でした……完璧なバストの持ち主にとってはね」

会場から大喝采を受けたことは言うまでもありません。こんなウィットと自尊心こそが、彼女の魅力の源泉です。体形に対する誹謗中傷を乗り越え、演技を磨いて自信をもった今の姿が、コンプレックスをもつ(もたされる)多くの女性・男性に勇気を与えています。

世の中には偏狭な価値観に固執して不幸を招いている人が後を絶ちません。脂肪吸引が失敗し命を失う、身長を伸ばす手術が失敗して歩行困難になる、あるいは頭髪を増やす薬を多用して男性機能を減少させ愛する人との関係を損なうなど。思い詰める気持ちはわからなくもないのですが、そんなリスクをとる勇気があれば、自分に対する敬意をもつ、という勇気を振り絞ったほうが確かな幸福につながります。

世間の基準ではなく自分を大切にする姿勢が、「完璧」を超える魅力を生み、周囲にも幸せをもたらします。そんな自尊が生む力に「目覚めなさい」。あ、行きすぎて尊大にならないようにね。

2024年9月号より

グローバル化が進む社交界事情にも通じる。密かな趣味は人間観察とコスプレ。好きな飲み物はモンラッシェ。日本ではほとんど知られていない、ある小国の女王とのウワサも!?