クイーンビートル浸水隠しは「社長の指示」 親会社のJR九州が会見

AI要約

JR九州高速船が博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して運航を続けた問題をめぐり、JR九州は田中渉社長の指示によって浸水を隠し、正当な報告を怠ったことを明らかにした。

田中氏は浸水を確認しても「異常なし」と記録し、浸水を感知するセンサーの位置を不正に変更するよう指示していた。JR九州は田中氏を解任した。

乗務員が浸水を確認しても報告を怠り、浸水を隠すために記録の虚偽報告やセンサーの不正を行っていたことが判明した。

 JR九州高速船が博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して運航を続けた問題をめぐり、親会社のJR九州は14日、浸水を国に報告しなかったのはJR九州高速船の田中渉社長(当時)の指示によるものだった、とする調査結果を明らかにした。

 田中氏は現場が浸水を確認しても「異常なし」と記録し、浸水を感知するセンサーの位置をずらす不正も了承していたという。JR九州は、田中氏を13日付で社長から解任した。

 会見したJR九州の松下琢磨取締役によると、今年2月12日に乗務員が船首部分に2~3リットルの浸水を確認。田中氏は本来必要な国土交通省九州運輸局への報告をしないで運航を続けるように指示した。

 これを受け、乗務員らは浸水を確認しても航海日誌や点検記録に「異常なし」と記載し、5月30日まで運航を続けた。一方で、内部向けに別の管理簿もつくり、実際の浸水量を記録していたという。

 また、700リットルを超える規模に浸水量が増えると、乗務員向けの警報センサーの位置を高さ44センチから1メートルに上げ、浸水しても警報が鳴りにくくした。JR九州は、記録簿の虚偽記載やセンサーの不正も田中氏が了承し、浸水の事実を隠していたとしている。