人命無視の悪質な隠ぺい工作 クイーンビートル“浸水隠し”運営会社の社長が指示 “会社ぐるみ”か

AI要約

JR九州の子会社が福岡と韓国・釜山を結ぶ高速船、クイーンビートルの船体の浸水を隠すなどして運航を続けていた問題について、JR九州は新たな体制で出直しを図ることを発表。

クイーンビートルは安全に対する意識が不足していたことが問題となり、運休が決定された。

問題は、浸水が発生していたにも関わらず報告がなく、運航を続けていた点や浸水量を把握していながら対応が遅れた点などが挙げられる。

人命無視の悪質な隠ぺい工作 クイーンビートル“浸水隠し”運営会社の社長が指示 “会社ぐるみ”か

JR九州の子会社が福岡と韓国・釜山を結ぶ高速船、クイーンビートルの船体の浸水を隠すなどして運航を続けていた問題。JR九州は謝罪会見を開いた上で、新たな体制で出直しをはかると発表した。

「申し訳ありませんでした」深く頭を下げた謝罪に続き、「クイーンビートルは安全に対する意識、体制ができていないので当面運休」と松下琢磨常務が苦渋に満ちた表情で臨んだ記者会見。問題となっているのは高速船クイーンビートル。オーストラリアの造船メーカーが製造した赤い船体が特徴的な高速船だ。福岡と韓国・釜山を結ぶ新型船として2022年にデビュー。そのスタイリッシュな外観と優雅な雰囲気で人気だった。

クイーンビートルをめぐっての問題点。まずは2024年2月12日、少量の浸水2~3リットルが確認されたが、九州運輸局には報告していないということ。さらに航海日誌などにも「異常なし」と記載していた。

その一方で、運航管理の社員が「浸水量の管理簿」を作っていたという。これは会社内部で浸水量を把握しておくためにわざわざ作ったものだ。その後、会社は浸水を把握しながら3カ月以上、クイーンビートルの運航を続けている。

そして、5月27日、博多港でのチェック作業の際に浸水量が増えていることが確認される。このとき、浸水していた量は実に736リットルに上っていた。この数字は、最初の浸水量の300倍以上で、JR九州もこの量については「危険な兆候だった」と答えている。

そして重要なのは、浸水を知らせる警報センサーの位置。翌日、警報センサーをそれまでの高さ44㎝から1mに上げている。意図的にずらしたのだ。「反応しないようにずらした」とはっきり会見でも答えている。

そして5月30日、浸水量がさらに増えてずらしていたセンサーにも反応したため、この時点で九州運輸局に報告。このときの浸水量は約2200リットルにも上っていた。その後、運航を停止。検査を経て7月11日に運航を再開した。