五輪女子スケートボード、日本の10代女子が大活躍の理由は

AI要約

日本の10代の少女たちが女子スケートボードで大活躍し、連続して金メダルを獲得している。パリ五輪でも期待されている。

スケートボードの普及は日本で急速に進んでおり、スケートパークの数も増加している。

若者のスケートボードへの関心が高まり、競技が消滅する可能性は低く、さらなる成長が期待される。

五輪女子スケートボード、日本の10代女子が大活躍の理由は

(CNN) 平均年齢が世界で最も高く、街路はきれいに保たれ、ルールを順守する国だと評判の日本はすぐにスケーターの楽園として名をはせることはないかもしれない。

しかし今週、パリ五輪が改めて示したように女子スケートボードでは日本の10代の少女たちが大活躍している。

日本チームは2大会連続でストリート競技での圧倒的な強さを見せつけた。8月6日から始まるパーク競技でも同じ結果になる可能性がある。

吉沢恋(14)は28日、終盤の追い上げで赤間凛音(15)を破り、金メダルを獲得した。両選手は他を寄せ付けない高得点を記録した。

ベストトリックで大技を決め五輪チャンピオンに輝いた吉沢はAP通信に対し、10代の若者がオリンピックに出場して高いレベルの成果を挙げることができるのは素晴らしいことだと思うと語った。

29日に行われた男子ストリートでは堀米雄斗(25)が満点に近い得点をたたき出し、2大会連続となる金メダルを獲得。米国のジャガー・イートンとナイジャ・ヒューストンを僅差(きんさ)で下した。

3年前の東京五輪でスケードボードが正式種目として採用されて以来、堀米と日本チームはパリ五輪の優勝候補として注目されてきた。

東京大会では、女子ストリートで西矢椛(当時13)が金メダルを獲得。女子パークで四十住さくら(当時19)が金、開心那(当時12)が銀メダルに輝いた。銅メダルを手にした英国のスカイ・ブラウン(当時13)は偶然にも片親が日本人だ。3人はパリ大会でもパーク競技に出場する。

1936年以降で最年少のオリンピックメダリストである開は7月、CNNに対し、オリンピックのスケートボードには年齢制限がないため、どんな若者でも参加できると話した。

また、オリンピックには若いスケーターがたくさんいて、毎年優秀なスケーターが増えているので今回の大会を楽しみたいと意気込みを語った。スケートボードのかっこよさを広く知ってもらいたいとの希望も口にした。

日本では混雑した場所でのスケートボードは法律で禁止されている。滑れる場所はおおむねスケートパークに限られているため、スケートボードを指定エリア以外で練習するのは難しい。

これに日本の人口高齢化問題が加われば、競技は消滅しかねない。

しかしオリンピックでの正式採用により、若者の認知が高まり、始める人が増えた。日本スケートパーク協会によると、2021年以降、国内のスケートパークの数は475カ所とほぼ倍増している。今回のメダル獲得により、さらなる成長の余地もありえる。

1990年代から日本のスケートボード界をけん引してきた米坂淳之介氏はCNNに対し、かつての日本はスケートボードの技術面で米国から10~15年遅れていたと話す。

米坂氏によれば、2000年代からスケートパークの数は急速に増え、公式大会と同様の区画、高い傾斜面と長い手すりを備えたパークも増加しており、スケーターが幼い頃から高難度の技を定期的に練習できる環境が整っているという。

米坂氏は、こうした環境が日本チームの高得点につながる難しい技の習得に貢献していると思うと語った。

しかし最も重要なのは、来月16歳になる開が繰り返し述べた点だ。それはスケートボードをするにあたって、その一番の存在理由である「文化」を見失ってはならないということだ。

開はスケードボードがオリンピック競技として認められたことにうれしさと憤りを感じているという。

開は、世界中でより多くの人に知ってもらえるようになるのは素晴らしいことである一方で、スケートボードはもともと楽しむためのものであり、これが競技になることで誰もが競争心を持って戦うという考え方は好きになれず、その両方の感情があるために少し複雑だと語った。