お見合い写真を破ってドブに捨てた…元NHKアナの人気作家が「結婚適齢期は36歳」と語るワケ

AI要約

日本の結婚と出産に関する状況が大きく移り変わっており、未婚化や少子化が進んでいる。少子化対策よりも、個人の幸せと自由意志を尊重する社会制度の重要性が示唆されている。

結婚を望む人は家族や子どもを持ちたいという理由が主であり、また老後に一人でいたくないと考える人も多い。家族の重要性が依然として高い日本社会において、結婚の意義や目的が探求されている。

結婚は個人の自由であり、好きな人と一緒にいるために必ずしも必要ではない。共に暮らす形態や生き方も多様化しており、結婚が唯一の幸せの形ではないという考え方も重要である。

お見合い写真を破ってドブに捨てた…元NHKアナの人気作家が「結婚適齢期は36歳」と語るワケ

 婚姻率は低下し、出生率も過去最低を記録するなど日本の結婚と出産に関する状況は、近年大きく移り変わっている。未婚化、晩婚化、少子化がすすむなかで、「女性の結婚適齢期」と「少子化問題」を、元NHKアナウンサーでベストセラー作家の下重暁子氏はどう考えるのか。本稿は、下重暁子『結婚しても一人』(光文社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

● なぜ人は結婚するのか なにを求めているのか

 結婚しない人が増え、子どもを産まない人が増えている。

 「生涯未婚率」は1970年には男性1・7%、女性3・3%だったが、2020年には男性28.3%、女性17.8%まで増加した(2020年「少子化社会対策白書」)。 今後はさらに増え、男性の3割程度、女性の2割程度が、結婚しないという予想も出ている。

 また、政府が「異次元の少子化対策」を打ち出していることからわかるように、少子化も加速している。2022年の出生数は約77万747人で、統計以来、最少となったたという。ちなみに第1次ベビーブーム期(1947~49 年)は約270万人、第2次ベビーブーム期(1971~74年)には約210万人が生まれていた。

 私は少子化が悪いとは必ずしも思わない。

 子どもを産みたくても産めない人を支援する取り組みは必要だ。

 だが、子どもを産む・産まないは国に強制されることではなく、あくまで個人の自由意志による選択であり、子どもが少なくても個人が幸せに暮らせる社会のための制度設計のほうが、子どもを増やす取り組みよりも重要だと考える。

 さて、結婚しない人が増えているとは言っても、現状は男女ともに8割以上は結婚しているわけで、結婚する人のほうが多い。

 結婚は個人の自由になったにもかかわらず、なぜ人は結婚するのか。人は結婚に何を求めているのか。

 十人十色ではあろうが、何らかの傾向はあるだろう。それを私なりに考えてみたい。

 20~59歳の男女のうち、結婚していない人を対象におこなった内閣府の意識調査がある(平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書)。

 それによると、結婚したい理由は「家族を持ちたい」「子どもが欲しい」が 70.0 %と最も高く、次いで「好きな人と一緒にいたい」も68.9%と高い。

 この調査でいささか驚いたのは、30代女性の68.2%が、「老後に一人でいたくない」を理由に挙げていることだ。結婚しても、最後は一人になるわけだが、若いころにはそういう想像力が働かないのだろうか。あるいはずっと共に暮らす夢を見ている のか。

 いずれにしろこの調査からわかるのは、少なくない日本人がいまだ「家族」を重視 しているということだ。好きな人と一緒にいることが目的なら、必ずしも結婚する必要はない。同棲するなり、付き合っていればよい。