「使いたくない」人が8割、小池都知事肝入り「東京都のマッチングアプリ」の気になる中身

AI要約

日本の生涯未婚率が上昇し続ける中、東京都がマッチングアプリを活用した結婚支援策を打ち出す。

「TOKYOふたりSTORY AIマッチングシステム」はAIを活用した相手の選定が特徴であり、都の一環として展開されている。

しかし、市民の8割以上が「使いたくない」と回答するなど、官製マッチングアプリに疑問の声が広がっている。

「使いたくない」人が8割、小池都知事肝入り「東京都のマッチングアプリ」の気になる中身

若者が結婚しないのは、出会いがないからか、お金がないからか。

年々上昇し続ける日本人の生涯未婚率。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、東京都の生涯未婚率は2020年時点で男性が3人に1人、女性は4人に1人の割合となる。平均初婚年齢もどんどん上がっていき、東京都ではついに男女ともに30歳を超えた。

当然、この流れは少子化問題にも大きくかかわってくる。都の合計特殊出生率(※一人の女性が一生の間に出産する子どもの人数)は、50年以上前の1971年が2.02だったのに対し、2022年は1.04。半世紀で約2分の1の数字になってしまった。

この止まらない少子化問題に歯止めをかける政策として、東京都が白羽の矢を立てたのが「マッチングアプリ」。小池百合子氏肝いりの結婚支援策である。

少し前はいわゆる〝ラフな出会い〟のイメージが強かったマッチングアプリだが、近年その出会いを通して結婚する男女が増えているのは確か。小池氏も、そこに可能性を見出しているわけだが、その判断ははたして正しいのか――。

官製マッチングアプリの名前は『TOKYOふたりSTORY AIマッチングシステム』。夏頃本格始動する予定で、昨年末から都の交流イベントに参加した人を対象に先行利用が始まっている。

謎にロマンティックで、官製ならではの〝お堅さ〟が残るクソ長いサービス名にツッコみたくなる衝動はさておき、民間が手掛けるマッチングアプリとの違いを考えていきたい。

その最大の特徴は〝AIが自分に合った相手〟を選んでくれるというもの。公式サイトによれば、「見た目や条件だけでは測れないものが思わぬ出会いをもたらすかもしれません」とのことで、事業にかける都の自信が伝わってくる。

他には「安心な出会い」や「スタッフによる相談支援」が特徴らしいが、正直どれも民間のマッチングアプリで既視感のあるような内容。

AIによるマッチングも特段珍しいことではないので、官製マッチングアプリに需要があるのかという点に疑問が残る人もいるだろう。

東京都がこうした「結婚に向けた気運醸成等」の事業費に投じるお金は2023年度が1億8400万円、2024年度が3億3500万円。

この数字が恰好の餌食となり、その「不要さ」をライバルの蓮舫氏に突かれまくったが、ユーザー側の本音はどうなのだろうか。

そこで、こんなアンケートを取ってみた。

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Q.あなたが都民だったら、東京都が主導するマッチングアプリ『TOKYOふたりSTORY AIマッチングシステム』を使いたいと思いますか?

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使いたい(17.0%)

使いたくない(83.0%)

※有効回答数:513件

※調査期間:2024年7月5日~7月6日

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「使いたくない」の回答はなんと8割超え。予想以上に否定派が多い結果となった。さらに理由としては、〝的外れ感〟を指摘する声が目立つ。

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・「婚活前提でないマッチングから、自然と結婚したくなったら結婚するのが一番良いと思うから。 少子化対策で子育て支援するのも、婚姻率アップのために婚活アプリを作るのも、近視眼すぎて的外れ。

直に結果を出そうとするのではなく、その手前の段階を支援して土台を作らないと意味ない」 (43歳/性別不明)

・「マッチングアプリ自体はすでに数多くあり、多種多様なニーズにすでに対応可能なほど充実していると考えている。そのためそもそも公費を使って東京都が主導するマッチングアプリ『TOKYOふたりSTORY AIマッチングシステム』を作る必要がないと考えている」(39歳/男性)

・「都に管理されたくはないので。民間のもののような自由度がなさそうなので」(38歳 /男性)

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後編では、「東京都のマッチングアプリ」に良いところはないのか考えてみた。

文/DIME編集部