「子なし」は日本が多いが…合計特殊出生率は韓国が低い

AI要約

OECD加盟国の合計特殊出生率が半減し、韓国は特に急激な減少を示していることが報告された。

韓国の出生率はOECD平均よりも低く、第1子の割合が高い傾向が見られる。

労働市場の問題や経済的要因が少子化に影響を与えることが指摘され、政策提言も行われている。

この60年間ほどで経済協力開発機構(OECD)加盟国の合計特殊出生率が半減する時に韓国は8分の1まで落ち込んでいたことがわかった。

OECDが先月末に出した報告書によると、OECD加盟国全体の平均合計特殊出生率は1960年の3.34人から2022年には1.51人に下がった。一般的に人口を安定的に維持するのに必要な合計特殊出生率下限とされる2.1人を下回る数値だ。合計特殊出生率は女性1人が生涯に産むことが予想される子どもの数だ。

ところが加盟国のうち韓国の急激な下落傾向は際立っていた。同じ期間に6.0人からOECD最低水準である0.78人まで低くなったのだ。2022年現在で韓国のほかスペインが1.16人、イタリアが1.24人、ポーランドが1.26人、日本が1.26人、ギリシャが1.32人、カナダが1.33人と、OECD平均値の1.51人より低かったが、韓国だけ1人未満だった。

OECDは現在、韓国の出生児のうち第1子の割合が57%で加盟国のうち最も高い点にも注目した。第3子以上の割合は8.3%で最も低かった。韓国はできるだけ子どもを1人だけ産む傾向があるという意味だ。

こうした特徴のため韓国の合計特殊出生率が日本より低いという分析も出ている。1975年生まれの女性を基準として日本は生涯に子どもを持たない割合が28.3%で韓国の12.9%より高い。だが日本は女性が子どもを産むことにした場合には複数人を産む傾向があり結果的に合計特殊出生率が韓国を上回ったという話だ。

韓国の出産女性の平均年齢は33.5歳で、OECDで最も高かった。平均年齢は2000年の29歳から20年で4歳以上上昇した。韓国の次に出産女性の平均年齢が高い国はアイルランドの33.1歳、スペインの32.6歳などの順だった。

OECDは「主要な経済的変数が子どもの有無、出産時期、子どもの数に影響を及ぼす」と分析した。具体的には雇用率、育児休職・幼児教育・保育に対する公共支出、財政支援が大きいほど合計特殊出生率が高まるとみた。反対に住宅費、失業率が高いほど合計特殊出生率が下がるというのがOECDの見方だ。経済的変数のほかにもOECD加盟国の若い層が親として生きるよりは個人として生きることにさらに意味を求める傾向が合計特殊出生率を低くするとみられた。

OECDは「少子化を懸念する国が取れる最善のアプローチ方式は男女平等の促進と、仕事と育児の公正な配分奨励。また、子どもの養育費、住宅関連支援にさらに重点を置かなければならない」と強調した。その上で公共支出と関連して「子どもが幼い時期に連続的な支援をすることが重要だ」と付け加えた。

OECDは今月11日に「2024韓国経済報告書」を出し、韓国の事情に合わせた代案を出してもいる。この日OECDのビンセント・コーエン国家分析室長は韓国で記者会見を行い、「総合的な出生率政策パッケージの一部として非常に大きな現金を支給する必要がある」と提案した。財源を調達する手段と関連しては「代案のひとつが付加価値税引き上げ。現在の税率(10%)はOECD平均の半分を小幅に上回る水準」と指摘した。

労働市場の二重構造を解消しなければならないという助言も出てきた。コーエン室長は「労働市場の二重構造のためスペックを積む競争が行われ、いわゆるゴールデンチケットを追求して私教育費用も増加している。若者は良い雇用と教育機会があるソウルに集まるが、住宅価格が高く家庭を持つのにより多くのお金がかかる」と批判した。