富士山・静岡側で山開き 天気急変で“ホワイトアウト状態” 意識不明の登山客も…
10日、富士山の静岡県側のルートが山開きとなり、多くの登山客が登山を楽しんでいたが、天候急変で事故が起きた。
強風や霧による気温の急激な下降など、山の天候の変化に登山者が振り回された様子が伝えられている。
登山を楽しむためには、十分な装備、事前の計画、安全を最優先にする姿勢が重要であることが改めて示された。
10日、富士山の静岡県側のルートが山開きとなりました。これから登山をしようという人が非常に多く集まっています。この後天気が急変し、意識不明になった登山者も出るなど、事故も起きました。
静岡県の職員
「ただいまより富士山、富士宮口登山道の冬季閉鎖を解除します」
10日午前9時、富士山の静岡県側ルートが山開きを迎え、多くの登山客が3776メートルの頂を目指し、一斉に入山していきます。
登山客
「初めて登るので緊張していますね」
「4年ぶり。ワクワクしています」
山開き直後の午前中は天候が良かったものの、天気が急変。午前10時半に、山頂から富士宮ルート側を撮影した映像です。
次々に登山客が頂上へと近付いてきます。視界は開けているものの、雲の流れから、強い風が吹いていることが分かります。
この時、山頂の気温計は13.5℃を示していましたが、3時間が経過すると、景色は一変。霧に包まれホワイトアウト状態となっていて、少し進むとようやく登山者の姿が見えてきます。
気温も7.6℃と6℃近くも下がり、まさに「山の天気は変わりやすい」という言葉を物語っています。
登山客
「すごかったですね。晴れたと思ってたら、またもうすぐ曇りとかになっちゃって」
「頂上着いたころまでは良かったんですよ。下り出したら強風。最悪でした」
午後、富士山は嵐のような強い雨風に見舞われていました。
去年、8合目の山小屋付近で撮影された映像です。空は暗いなか、登山道で横になっている人の姿が映っています。
動画を撮影したのは、富士山の登山道の安全を確保する巡回指導員の太田安彦さんです。
太田さん
「弾丸登山するというのはとても危険かなと思います」
富士登山で問題となっているのは、ご来光を目当てに山小屋などに泊まらず、夜通しで頂上を目指す弾丸登山。そして、太田さんは軽装で歩く登山者たちに声を掛けて、注意を呼び掛けていました。
静岡側の山開きとなった10日も、「山に登らないでください」「危険です」と係員が外国人男性に注意しています。
かなり天候が悪化して視界もかなり悪い状況ですが、半袖にジーパン姿の外国人男性が、富士山に登ろうとしています。走って登っていきました。
さらに別の場所でも、短パンにスニーカー姿の外国人登山客の姿が見られました。
外国人
「(Q.Are You OK?)Yeah yeah!」
悪天候のなか、軽装の外国人登山客も少なくありません。