野口健さん、「極めて残念ですが…」K2遭難、日本人登山家の救助打ち切りに悲痛「2次遭難の苦しさを誰よりも深く胸に刻んでいたはず」

AI要約

登山家の野口健さんがK2で滑落し救助が打ち切られた平出和也さんと中島健郎さんについて、悲痛な思いを述べた。

2人はK2西壁で滑落し、救助が困難で家族の同意を得て救助活動が終了した。

野口さんは救助打ち切りを残念に思いつつ、平出さんの生き様に感謝を示し、無念な思いをつづった。

野口健さん、「極めて残念ですが…」K2遭難、日本人登山家の救助打ち切りに悲痛「2次遭難の苦しさを誰よりも深く胸に刻んでいたはず」

 登山家の野口健さん(50)が31日、X(旧ツイッター)を更新。パキスタンにある世界第2の高峰K2(8611メートル)で滑落した、いずれも山岳カメラマンでクライマーの平出和也さん(45)=長野県出身=と中島健郎さん(39)=奈良県出身=について、救助が打ち切られたとの報道を受け、悲痛な思いをつづった。

 ともに日本を代表するクライマーで、日本時間の27日午前11時半ごろ、未踏ルートであるK2西壁の7000メートル地点で滑落した。2人が所属する登山用品販売の石井スポーツは、遭難対策本部を設けて随時、ホームページで状況を報告。2人のいる位置は確認できたもののかなりの急斜面のため、ヘリコプターの着陸はできず、地上からの救助も難しい現況を伝えていた。

 同社は30日、2人の上部に大きな亀裂があって崩落による二重遭難の恐れがあることなどから、家族の同意を得た上で、救助活動の終了を決めたことを説明した。

 今回の投稿で「救助打ち切りは極めて残念ですが仕方がない」とつづった野口さん。「特に平出君は自身の捜索活動で『2次遭難』が発生してしまう事の苦しさを誰よりも深く胸に刻んでいたはず」と心情をおもんぱかった。

 「トップクライマーとして激しく生き、輝いていた生き様がとてもまぶしかった。お二人には感謝しかない」と振り返った上で「しかし、残念だ」と無念の思いを重ねて文章を締めた。

 野口さんは、27日に日本人2人が滑落したとの一報を受けて以降、「まさか…」「今はただただ生き延びていてほしい…」「山で仲間たちが遭難する度に感じるのはその人数分だけ老いていくような疲れ。悲しみ以上に虚脱感に襲われます」などと心配ややるせなさを相次いで投稿し続けていた。

 平出さんは、登山界で最も名誉とされるピオレドール賞を日本人で最多の3度受賞。中島さんも同賞を2度受賞しており、日本テレビ系バラエティー「世界の果てまでイッテQ!」で人気を集めた登山部企画にカメラマンとして参加経験がある。