安倍元首相銃撃2年、事件現場で自民議員らが献花「この場にプレートを」「ただ安らかに」

AI要約

安倍晋三元首相が演説中に銃撃されて亡くなってから2年が経過し、その犠牲を偲び参列者が献花する様子が続いている。

安倍派の議員や他党の政治家、地元有志が安倍氏の冥福を祈り、彼の遺志を引き継ぐことを誓っている。

犠牲者のために銃撃現場に適切な記念碑を設置する取り組みが進められており、安倍氏の凶弾に倒れた場所にも何か残るものを残したいとの思いが共有されている。

安倍元首相銃撃2年、事件現場で自民議員らが献花「この場にプレートを」「ただ安らかに」

令和4年7月に参院選の応援演説中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相の死去から8日で2年となった。銃撃現場となった近鉄大和西大寺駅(奈良市)前には献花台が設営され、早朝から参列者の姿が絶えることはなく、約2000人(自民党奈良県連発表)が献花した。自民の衆参議員のほか国民民主党、日本維新の会の幹部も駆け付け、改めて安倍氏の冥福を祈った。

■「ずっと思い起こす」

安倍氏が銃撃された時間帯の午前11時半ごろ。自民を離党した世耕弘成前参院幹事長を含め、安倍派(清和政策研究会)の衆参議員ら約30人が献花台の前で手を合わせた。

代表して記者団の取材に応じた山本順三元国家公安委員長は「安倍氏の遺影を前に黙禱をささげることができた。これから新しいときに向かって頑張ろうとお互いが(意思を)固めた、そんなお参りではなかったか」と語った。

山本氏によれば、集団での参列は誰かが音頭を取ったのではなく、自然発生的に集まったという。

西村康稔前経済産業相は1人で献花台に訪れた。西村氏は記者団の取材に目を腫らしながら応じ、「(安倍氏が銃撃された)あの時のことをずっと思い起こす。ただただ安らかに眠っていただきたい」と繰り返した。

安倍氏の慰霊碑を巡っては、昨年7月に奈良県連の有志らが現場から約5キロ離れた三笠霊苑(奈良市)に「留魂碑(りゅうこんひ)」を設置したが、銃撃現場に事件の痕跡を知らせるプレートなどは設けられていない。

■「凶弾に倒れた所に残るものを」

大正10年に原敬が、昭和5年に浜口雄幸が、現職の首相として襲撃されて死亡した東京駅のそれぞれの現場の床には六角形のマークが埋め込まれ、事件の発生を伝えている。

山本氏は記者団の取材に、「プレートをこの場に残したいという気持ちは全員の相通じる気持ちだ。そういう方向でできるように努力している最中だ」と語った。

山本氏らとは別行動で献花台に訪れた自民の関芳弘衆院議員も「安倍氏の遺志を引き継いでいこうという決意を新たにした」と述べた上で「凶弾に倒れた所に何か残るものがあればよかったと思う」と強調した。

国民民主党の玉木雄一郎代表も昨年に続き、献花台の前で手を合わせた。玉木氏は記者団の取材にプレートの設置について「地元自治体の判断などもあると思うが、やはり一国の首相(経験者)が選挙中に凶弾に倒れたことは何らかの形で後世の記憶に残し、そして民主主義を守り抜く、その象徴的な場所が必要ではないか」と強調した。