ストーカー加害者には執着心や支配欲弱めることが有効…「博多女性刺殺」再発防止へ精神的治療働きかけ

AI要約

福岡市のJR博多駅前で女性会社員が殺害された事件で、元交際相手の寺内進被告に懲役20年を言い渡した福岡地裁判決。寺内進被告はストーカー規制法違反の成立を認められ、未練や怨恨の感情が背景にあったとされる。

県警は再発防止のため、ストーカー加害者に対して精神的治療を勧めており、禁止命令を受けた加害者には無償でのカウンセリングセッションを提供。精神保健福祉士によるカウンセリングを通じて適切な治療を行う取り組みが行われている。

加害者は孤立を深め適切な相談相手を欠き、被害者への思いを消化できずに行動がエスカレートする傾向がある。早い段階で異変に気づき適切な治療を受けさせることが重要であり、周囲のサポートが必要とされる。

 福岡市のJR博多駅前で女性会社員が殺害された事件で、元交際相手の寺内進被告(32)に懲役20年を言い渡した28日の福岡地裁判決は、未練や怨恨の感情などを理由にストーカー規制法違反の成立を認めた。ストーカー加害者には執着心や支配欲を弱めることが有効とされ、県警は再発防止に向け精神的治療を勧めている。

 県警は2018年から同法に基づき禁止命令を受けるなどした加害者に対し、精神保健福祉士のカウンセリングを3回まで無償で受けられるようにしている。今回の事件後は、加害者全員に医療機関の受診を働きかけている。

 県警に委嘱され、加害者約240人にカウンセリングをしてきた精神保健福祉士の女性(53)によると、加害者は適切な相談相手がおらず孤立を深め、自身を客観視できずに被害者への思いを消化できないまま行動がエスカレートする傾向がある。「思いを伝えたかった」「相手のためになると思った」など一方的な思いを募らせているケースも多い。

 女性は「早い段階で周囲が異変に気づいて相談機関につなげ、適切な治療を受けさせることが最も大切」と強調している。