精神障害で労災認定、883件 過去最高、5年連続で更新

AI要約

厚生労働省は、2023年度に労災認定を受けた精神障害の件数が過去最多であり、うつ病や自殺未遂のケースも増加していることが明らかになった。

労災の認定基準が改正されたことで、カスタマーハラスメントによる労災が初めて集計され、女性が被害者となっている傾向が浮き彫りになった。

 厚生労働省は28日、仕事によってうつ病などの精神障害を発症し、2023年度に労災認定を受けたのは883件だったと発表した。前年度から173件増加し、統計を始めた1983年度以降の過去最多を5年連続で更新した。自殺や自殺未遂に至ったケースは計79件で、前年度より12件多かった。

 23年9月に精神障害による労災の認定基準が改正され、原因項目に追加されたカスタマーハラスメント(カスハラ)による労災は、今回の初集計で52件に上った。うち45件は女性で、顧客から迷惑行為の標的にされやすい傾向を示す結果となった。