サーキットのインフィールドでキャンプをしながらレース観戦!? RECAMP富士スピードウェイ・エリア100Rがオープン!そのスゴイ設備とは!?

AI要約

RECAMP富士スピードウェイAREA100Rがオープンし、豪華なキャンプ施設が提供されている。サーキット内でのキャンプは、レース観戦との親和性が高く、施設は清潔で充実している。

キャンプ場内にはオートキャンプサイトやドッグサイト、トレーラーヴィラ、キャンピングガレージハウスなど様々なタイプの宿泊施設があり、愛犬と一緒に楽しめるサイトも用意されている。

さらに、サーキット内のアクティビティや共用施設も充実しており、富士スピードウェイならではの楽しみ方が多彩に用意されている。

サーキットのインフィールドでキャンプをしながらレース観戦!? RECAMP富士スピードウェイ・エリア100Rがオープン!そのスゴイ設備とは!?

富士スピードウェイの100Rコーナー内側に、新たにキャンプ場がオープンした。「RECAMP富士スピードウェイAREA100R」は充実した設備に加え、サーキットならではアクティビティが楽しめるキャンプ場となっている。オープンに合わせて見ることができた、その全容をご紹介しよう。世界で唯一?FIAグレード1サーキットのインフィールド内キャンプ場

キャンプとレース観戦は意外と親和性が高い。日本ではレース観戦自体が長らく敷居の高いアクティビティだっただけに、あまり一般的では無いが、ヨーロッパやアメリカのサーキットでは、サーキットのすぐ脇にテントやキャンプサイトでワイワイ楽しみながらレースを観戦する様子がレース映像にもよく映し出されている。特にル・マン24時間レースのような耐久レースではなおさらだ。

日本でもビッグレースの観戦ともなると予選日からサーキット入りして車中泊などでレースウィークを楽しむファンも多い。富士スピードウェイでも2002年に周辺道路の渋滞対策として主催レースでのサーキット内宿泊が認められ、それがテント設置OK、キャンプOKと拡大。そのような流れから2016年に常設キャンプ場企画が立ち上がり、2017年のWEC(世界耐久選手権)で実施されたテント販売とセットになった宿泊プランが好評を博した。

そして、富士スピードウェイの西ゲート周辺再開発の流れも受けて「富士モータースポーツフォレスト」の常設キャンプ場として2024年9月20日に正式オープンとなったのが「RECAMP富士スピードウェイ・エリア100R」である。

その名の通り、これまでコース内の遊休地となっていた100Rコーナーのインサイドエリアに設置され、おそらく現時点では唯一のFIAグレード1規格サーキットのインフィールドにあるキャンプ場になる。

サーキット内のキャンプ場ということで、キャンプ場へのアプローチにはニュルブルクリンクサーキットを模した路面の描き込みがあるのが面白い。蓄光塗料で描かれており、夜には仄かな光を放つという。

キャンプ場を利用する際に実は面倒だというユーザーが意外に多い受付だが、RECAMP富士スピードウェイではキャンプ場予約サイト「なっぷ」を利用することでその手間を簡略化。スマートフォンで受付を済ませて、管理棟に寄ることなくサイトに直行することも可能だという。

また、キャンプギアのレンタルや薪、バーベキューセットの販売も行っており、それこそ手ぶらで来てしまってもキャンプを楽しめるようになっている。また、新規オープンということを差し引いても、施設は清潔で充実しており、女性でも安心して利用できるだろう。

駐車スペースは各サイトに1台となっており、複数台で利用する際は富士スピードウェイの他の駐車場に停めるとになる。また、場内のクルマの移動は完全に一方通行になっており、道路も広めで視界も悪くないので大きめのクルマでも安心。さらにクルマが入るところは全て舗装されているので、キャンプ場を利用する際に気になることが多い悪路や汚れといった心配も無い。

電源完備のオートキャンプサイト

元々100Rのインフィールドにあった林を活用した林間サイトになっており、そのためコースの展望こそそこそこだが、木陰が心地よい。特に日差しの強い季節には大いに助かるだろう。サイト面積も十分に確保されており、テントを複数張るスペースもあるので定員(6名)でも窮屈になることはない。さらに、サイト同士は十分な間隔があるのも嬉しい。

定員は6名となっているので、ファミリーはもちろんグループキャンプにも最適。ただし、駐車スペースは基本的にクルマ1台なので、複数台で来場した際は他のクルマは富士スピードウェイの別の駐車場に停めておく必要がある。ただし、バイクであればスペース内に定員以内であれば複数台停めることは可能だそうだ。

オートキャンプサイト

サイト数:22

サイト面積:100平方メートル

料金:4300円~

定員:6名

ノーリードで愛犬とキャンプができるドッグサイト

アウトドア派やキャンプ好きには、犬好きも多く愛犬と一緒にアクティビティを楽しみたいという声が多い。RECAMP富士スピードウェイでは、そんな愛犬家キャンパーの声に応えて、愛犬とノーリードで過ごせるサイトを用意。サイトもテント泊、テント泊+ルーフデッキ、トレーラーコテージ+ルーフデッキと、キャンプスタイルに合わせて3種類合計7サイトと豊富だ。

■ドッグ・オートキャンプサイト

ケージで区画されたテントサイトで、サイト内(柵内)であればノーリードで愛犬とキャンプを楽しめる。設備としてはシンクと電源というシンプルなものだが、それだけにキャンプらしいキャンプが楽しめる。定員も6名と多めなので、ファミリーはもちろんグループキャンプも可能だ。

ドッグ・オートキャンプサイト

サイト数:3

サイト面積:200平方メートル

料金:7800円~

定員:6名

■ルーフデッキ付きドッグ・オートキャンプサイト

ドッグ・オートキャンプサイトにキッチンスペースを備えたルーフデッキを追加したのがこのサイト。テントサイトであることは同様だが、シンクだけでなくテーブルとチェア、バーベキューグリルも用意されている。

また、サイトはコースに向かって低くなっており、ウッドデッキやテントスペースからのコースの羨望は良好だ。

ルーフデッキ付きドッグ・オートキャンプサイト

サイト数:2

サイト面積:250平方メートル

料金:1万2800円~

定員:6名

■ドッグ・トレーラーコテージ

テントスペースではなくトレーラーコテージを設置したサイト。ルーフ付きウッドデッキにはやはりシンク、バーベキューコンロ、テーブル&チェアが設置されており、"キャンプ"度は下がるが、お手軽で快適に過ごせるようなる。

トレーラーコテージはエアコン完備。二段ベッド状の就寝スペースにはクッションと寝袋も用意される。さらにドッグサイトということで、ケージも用意されているのが特徴だ。なお、コテージの広さの関係で定員が5名までとテントサイトより少なくなる。

ドッグ・トレーラーコテージ

サイト数:2

サイト面積:250平方メートル

料金:2万7000円~

定員:5名

トレーラーコテージ

トレーラーコテージと2階が展望デッキになったキッチンスペース、焚き火スペースが設けられたサイト。キッチンスペースのイスやテーブルを動かせばクルマを屋根の下に入れることもできるようになっている。

また、キッチンスペースにはイスとテーブルの他にシンクとバーベキューグリルが用意されており、キャンプ料理が楽しめる。

ウッドデッキ付きのトレーラーコテージはもちろんエアコン完備。電気ケトルや食器類もこちらに置かれている。ローテーブルやクッションで寛ぐこともできるし、就寝スペースは二段ベッドになっているので子供に喜ばれそうだ。床に敷くクッションや寝袋も用意されている。

展望デッキに上がれば前面180度の展望が開け、目の前には100Rコーナー、遠くには箱根の山が広がっている抜群の羨望だ。展望デッキにはパラソルとテーブル&チェアが置かれコーナーを駆け抜けるマシンを眺めることができる。

キャンプを楽しみながら、オープンエアではあるもののパーソナルスペースでレースを観る。最高に贅沢なレース観戦ができるサイトと言えるだろう。

しかし、RECAMP富士スピードウェイにはまだまだ豪華なキャンプサイトが用意されているのだ。

トレーラーコテージ

サイト数:3

サイト面積:130平方メートル

料金:2万7000円~

定員:5名

キャンピングガレージハウス

キャンピングガレージハウスはクルマを入れることができるガレージ内に宿泊できる施設で、その上には展望デッキも備えている。クルマはガレージハウス内はもちろん、ハウス前の舗装された駐車スペースに止めることもできる。

ハウス内にはフローリングの小上がりが設られており、クッションや寝袋が用意されている。この小上がりが宿泊スペースとなる。また、シンクや冷蔵庫に加えバーベキューグリル、食器類も揃っている。もちろんエアコンも完備しているので、シャッターを閉めても快適に過ごすことができる。

また、100Rコーナーのインフィールドのちょうど中間に位置するため、屋上の展望デッキからは100Rのアペックスを見下ろすことができる。さらに、前面の羨望も素晴らしく箱根の山が一望できる素晴らしいロケーションとなっている。

このサイトは未舗装の部分もなく、ガレージハウスもコテージやトレーラーと異なり別荘の趣があるため、一般的な"キャンプ"のイメージではないかもしれない。クルマとの親和性が高く、多様なキャンプスタイルに対応したRECAMP富士スピードウェイの特徴を強く感じさせるサイトのひとつと言えるだろう。

キャンピングガレージハウス

サイト数:1

サイト面積:140平方メートル

料金:3万7000円~

定員:4名

トレーラーヴィラ

近未来型トレーラーハウス「パークラウンド」を設置したサイト。スタイリッシュな外観に加え、雨をしのげる全室にはオープキッチンとリビングスペース、ハンモックが備わりオープンエアを楽しむことができる。

ハウス内はダブルベッドを備えた寝室が2つに、シンクこそ無いものの冷蔵庫や電熱調理器が備わる。トイレとシャワールームに、もちろんエアコンも完備しており快適な空間にしつられられている。

ハウスの前にはチェアを備えた焚き火スペースもあり、ハウス内、オープンデッキ、焚き火スペースのいずれの場所からでも100Rを立ち上がっていくマシンが間近に見ることができる。また、サイトから富士山も望めるのがトレーラーヴィラの魅力でもある。

トレーラーヴィラ

サイト数:2

サイト面積:220平方メートル

料金:3万7000円~

定員:4名

ヴィンテージコテージトレーラー

1970年製のキャンピングレーラー、エアストリーム「sovereign」をサイトに設置しているのが最大の特徴。エアストリームは現在でも人気のあるキャンピングレーラーで、アメリカから輸入するにあたって程度の良い個体を探すのは苦労があったという。それをさらに内外装ともにフルリノベーションして、快適に過ごせるようになっている。

インテリアではWベット、オーバーヘッドシャワールーム、トイレ、エアコン、キッチンなどは最新設備としながら、スイッチやコンセントなどはレトロな形状を維持しつつもきちんと使えるようになっている。室内の広さこそトレーラーヴィラには及ばないが、このレトロテイストは他には代え難い価値がある。

さらに外には焚き火ができるスペースや、2階が展望デッキとなるシンクやバーベキューグリルを備えたアウトドアキッチンもある。

展望デッキからは100Rコーナーの立ち上がりからアドバンコーナーまでが見渡せ、さらに富士山まで遠望できる絶好のロケーションとなっている。

ヴィンテージコテージトレーラーサイトは、RECAMP富士スピードウェイの中では最もゴージャスなサイトとなっており、レトロなキャンピングトレーラーやオープンデッキからのレース観戦は、さながらアメリカンモータースポーツのような雰囲気を味わえる。

ヴィンテージコテージトレーラー

サイト数:1

サイト面積:200平方メートル

料金:3万9000円~

定員:4名

共用施設も充実

トレーラーハウスであればトイレやシャワーが完備されているが、コテージやテントサイトには個別には用意されていない。ドッグサイトであればテントサイトでもシンクまでは用意がはあるが、オートキャンプサイトととなると個別の水場/調理場は用意されていない。そのため、共用の水場/調理場、トイレ、シャワールームがあり、RECAMP富士スピードウェイ利用者であれば自由に使用することができる。

シャワー完備はありがたいが、残念ながら入浴施設までは用意がない。富士スピードウェイ周辺でも近在の入浴施設は富士スピードウェイホテルくらいしかなく、将来的にはホテルの入浴施設ができるようになれば……という構想もあるそうだが、現時点では施設内のシャワーか、クルマで別の入浴施設に行くかのいずれかとなる。

また、キャンプ場の中央にはイベントスペースが用意されており、大勢で焚き火を囲んだりゲームに興じたりすることもできる。個人利用はもちろんのこと、イベントや団体での利用も視野に入れている。

また、キャンプ場と100Rのフェンスの間は空きスペースとなっている。これまではビッグレースともなると、このスペースに観戦キャンパーが鮨詰めになっていたというが、今後はビッグレースではRECAMP富士スピードウェイが臨時に区分けしてキャンプサイトとして運用するそうだ。その際はキャンプ場利用者として、各共用施設も利用可能になるとのこと。

富士スピードウェイならではのアクティビティ

富士スピードウェイ内に宿泊するキャンプ場だけに、レースウィークであればレース観戦がメインコンテンツのひとつになるのは間違いないが、レース開催期間以外でもサーキットならではのアクティビティが楽しめる。

富士スピードウェイに併設されているレンタルカートやモータースポーツミュージアム、ショップ&カフェのファンテラス、ミニ四駆コースも備えたウェルカムセンター、国際レーシングコースの体験走行なども可能だ。

とはいえ、これらはキャンプ場というより富士スピードウェイのアクティビティであり、RECAMP富士スピードウェイのアクティビティとしてはレンタルe-bikeとオフロードラジコンコースが用意されている。

施設は豪華でもあくまでキャンプ場

特にコテージやトレーラーハウスなどの豪華施設はグランピングに通ずるものを感じる。逆に場内にグランピング施設は用意しないのかが気になったが、RECAMP富士スピードウェイとしては施設が豪華でもあくまでお客様主体の"キャンプ"として楽しんで欲しいという。

もちろん、施設だけでなくキャンプギアのレンタルに加え、食材などのセット販売も予定されており、それこそ手ぶらで来ても楽しめるということだが、調理や提供までは行う予定はないそうだ。

というのも、実はグランピング市場はすでに飽和傾向にあり、なおかつリピート率が低いという調査結果が出ているという。快適な環境ではあっても、やはり自分で何かする体験の方がより心に残り次につながるということだろうか。

キャンプ場としても楽しめるだけでなく、レース観戦、サーキットのアクティビティなど多様な楽しみ方ができるのは確かだが、まだオープンしたばかりということもあり今後どのような形に発展していくかは未知数。レースチケットとのセット販売や、観客席のような横断幕掲揚が可能なのか、まだまだ気になるところもある。

とはいえ、RECAMP富士スピードウェイがレースファン、キャンプファンを繋ぐ架け橋となり、それぞれファンが増えていくきっかけになれば面白い。

RECAMP富士スピードウェイ

所在地:静岡県駿東郡小山町中日向694(富士スピードウェイ敷地内)

開業:2024年9月20日(金)

敷地面積:2万平方メートル

宿泊施設サイト数:36サイト(駐車スペース各1台ずつ)

その他施設:管理棟、焚き火台、炊事棟、トイレ/シャワー棟、コインランドリー

予約方法:キャンプ場予約サイト「なっぷ」より