デカすぎ!? 海自「空前の水上戦闘艦」いよいよ建造へ 武装モリモリ「最強の盾」に 造船会社と契約締結

AI要約

防衛省は2024年、新たなイージス・システム搭載艦の建造を発表しました。艦艇は2027年度と2028年度に就役予定で、最新の兵器を搭載することで既存のイージス艦の任務を強化します。

新艦種はイージス・アショアの代替となるが、より大型で省力化が図られ、BMD任務や南西諸島方面の洋上侵攻阻止に活躍する。能力向上や拡張性が見込まれています。

予算は約808億円が計上され、装備の実射試験が進められる予定。今後の整備や開発が注目されます。

デカすぎ!?  海自「空前の水上戦闘艦」いよいよ建造へ 武装モリモリ「最強の盾」に 造船会社と契約締結

 防衛省は2024年9月18日、今年度から建造が開始される新艦種「イージス・システム搭載艦」2隻の建造契約を締結したと発表。建造スケジュールや完成イメージも公表しました。

 1番艦は2024年8月23日に三菱重工業、2番艦は2024年9月18日にジャパン・マリンユナイテッドと建造契約を締結。1番艦は2027年度、2番艦は2028年度の就役を目指すとしています。

 イージス・システム搭載艦は、配備が中止された陸上配備型イージス・システム「イージス・アショア」の代替となる艦艇です。従来のイージス艦は、対空レーダーとしてSPY-1を搭載するのに対し、イージス・システム搭載艦は「イージス・アショア」用だったSPY-7レーダーを搭載します。

 

 基準排水量は1万2000トン、速力は約30ノット(約55.6km/h)。動揺に強く、居住性も向上させる方針が示されています。乗組員は約240人となる見込みで、これまでのイージス艦より20%以上の省力化が図られます。

 

 なお、イージス・システム搭載艦の導入に伴う体制整備として、陸上自衛隊の定員を269人分、海上自衛隊に振り替えることで、必要な人員を確保する方針が示されています。

 

 就役後は、西側で最大の水上戦闘艦となる見込み。主にBMD(弾道ミサイル防衛)を担当し、「最新鋭イージス艦と同等以上の能力」が付与される予定です。これにより、既存のイージス艦8隻がBMD任務から解放され、南西諸島方面の洋上侵攻阻止に振り向けることも可能になります。

 

 主要装備は「SM-3ブロックIIA」弾道ミサイル迎撃誘導弾や、HGV(極超音速滑空兵器)への対処能力を持つ「SM-6」対空ミサイルなどを想定。各種能力が向上するため、 VLS(垂直発射装置)は現時点で最新となる、まや型護衛艦の96セルから128セルに増強されます。

 船体が大型のため拡張性にも優れており、2032年以降、敵の脅威圏外から攻撃が可能な「12式SSM能力向上型」や「トマホーク」巡航ミサイルなどを搭載する予定。ドローンによる飽和攻撃に対処する高出力レーザーなども装備する見込みです。

 

 2025年度予算の概算要求では、「イージス・システム搭載艦の整備に伴う関連経費」として808億円が計上されました。今後、装備の実射試験を含む各種試験の準備を進める方針が示されています。