“豆を使わない”持続可能なコーヒー 新たなコーヒー文化の選択肢広がる

AI要約

東京の店舗で提供されている、コーヒー豆を使わない環境に優しいコーヒーの魅力。

コーヒー2050年問題への対応として開発されたこの革新的なドリンクの制作過程。

ATOMO COFFEEの取り組みや願い、日本での販売開始について。

“豆を使わない”持続可能なコーヒー 新たなコーヒー文化の選択肢広がる

今にも香りがただよってきそうなエスプレッソには、これまでのコーヒーとはひと味違うところが…。

実はこのコーヒー、コーヒー豆を一切使っていないんです。

東京・渋谷にある店舗で提供しているのは、ナツメヤシの実、デーツの種など12種類の廃棄農作物から作られた、環境に優しい“コーヒー豆を使わないコーヒー”。

チョコレートや焦がしキャラメルのような香りで、しっかりとした深みがあり、コーヒーの味を感じるが、フルーティーな酸味も感じるといいます。

近年、世界を揺るがしているのが「コーヒー2050年問題」。

地球温暖化の影響で、30年後には約50%のコーヒー豆が収穫に影響を受け、価格が高騰すると言われています。

この問題を解決するためにドリンクを開発したのは、アメリカ・シアトルに拠点を置く「ATOMO COFFEE」。

カリフォルニア州にあるデーツの農園では、1日に約2万kgのデーツの種が捨てられているといいます。

それを乾燥させ、粉砕したものと、レモンの皮などをアップサイクルした材料を独自の技術で焙煎(ばいせん)。

あとは通常のコーヒーマシンで抽出するだけ。

コーヒーに近い味わいを実現しました。

通常のコーヒー豆を使ったコーヒーと比べて、CO2の排出量は80%減り、使用する農地も70%少なく生産することができます。

ATOMO COFFEEのエド・ホーンCOO「(この環境問題は)アメリカだけではなく、世界の問題であり、生産者も消費者も自分たちの行動が環境にどんな影響を与えるかを考えなければいけない。私たちは、ATOMOが日本の皆さんにとって定番の商品になり、お気に入りのカフェや小売店、コンビニエンスストアでも気軽に飲めるようになることを願っている」と話しました。

環境に優しいコーヒーの取り組みを広げようと、日本でも8月27日に販売がスタートしました。

この店舗では、ゴミになってしまうものを“そもそも出さない”廃棄物ゼロを目指す「ゼロウェイスト」をコンセプトにしていて、通常は捨てられてしまうコーヒーの実を使ったカヌレの提供なども行っています。

滑川裕大バーマネージャーは「“ゼロウェイスト”は、なかなかここのお店だけではできない。いろんな方とタッグを組んで理解してもらって進めている。(豆を使わないコーヒーが)選択肢の1つとして選べる時代になってきたので、気分に合わせて選んでもらいたい」と話していました。

いつまでもおいしいコーヒーを飲むことができる未来のために。

新たなコーヒー文化の選択肢が広がります。