中小上場企業が取り組むべきサステナ情報開示とは

AI要約

時価総額1000億円以下のプライム企業が直面するサステナビリティ情報開示の課題について述べられています。

サステナビリティ開示の専門家不足が企業やコンサルタント双方で深刻であり、特に時価総額が低い企業が困難に直面しています。

記事の内容は、サステナビリティ開示に関する課題を解決するための取り組みを支援することを目指しています。

中小上場企業が取り組むべきサステナ情報開示とは

■時価総額1000億円以下のプライム企業だからこそサステナ情報開示の課題がある①

筆者はサステナビリティ情報の開示支援を専門とするコンサルタントです。最近ではEU域内で適用されるサステナビリティ開示規則(CSRD/ESRS)に関して影響を受ける複数の企業向けに支援を行っています。またサステナビリティに関する記事を執筆しつつ講演も行っています。(有川 誠一)

最近のサステナビリティ開示界隈のトピックとして、2024年3月に我が国のサステナビリティ開示基準(公開草案)が公表されました。2024年6月に開催されたサステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ(第三回)によると、プライム全企業に対してこの開示基準を適用義務化することが想定されています。加えて開示情報には第三者の保証も求める方向で議論が進んでいます。

我が国のサステナビリティ開示基準に関する適用ロードマップ案が公表されたことで、複数のお客様から次のような質問を受けることが多いです。

「弊社はプライム市場に上場しておりサステナビリティ情報を開示せざるをえない。しかし、弊社はリソースもノウハウもなく何をいつまでにやらなければいけないかわからない。大手コンサルティング会社に支払う報酬は高額のため弊社の規模では予算が取れない。いったいどうすればよいのか…。」

現場を預かる開示支援コンサルタントの肌感覚として、サステナビリティ開示領域での専門家不足は、企業側及びコンサルタント側双方で深刻であり、この課題は当面解消されないと思っています。具体的には、サステナ開示のための社内リソースを確保できていて、かつ一定レベルの外部専門家の支援が受けられるのは時価総額1兆円以上の会社に集中してしまっています。

その結果、時価総額が比較的低いプライム企業は打ち手が非常に限られてしまっている状況です。現在のプライム全企業数は約1600社であり、そのうち半分が時価総額1000億円以下です。

このままだと、プライム企業の半分がサステナビリティ開示に対応するための社内リソースがない、コンサルタントを確保できない、ということが社会問題化するのは明白と考えています。

この課題を少しでも解決すべく微力ながら困っている皆様のお役に立てればと思い匿名で筆を執らせて頂きました。皆様に役立つ記事になるよう、シンプルかつ重要な箇所に絞って投稿させて頂きます。

購読者の皆様でもし質問、ご感想ありましたらオルタナ編集部までお問合せ下さい。皆様より直接頂く声を尊重して、今後の記事作成にも役立てていきたいと考えています。