ANA、純利益19.5%減247億円 売上高は過去最高更新=24年4-6月期

AI要約

全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が2024年4-6月期の連結決算を発表。純利益は前年比19.5%減の247億1200万円で、通期予想は1100億円。

売上高は過去最高を更新し、営業利益と経常利益は前年を上回るものの、国際線旅客の構成比率が変化。国内線はエンジン整備の影響で減便が発生したが、今後は問題が解消される見通し。

2025年3月期の連結業績予想は据え置かれ、売上高は増加する一方で純利益は30.0%減の1100億円を見込む。営業費用の増加が主な要因とされている。

ANA、純利益19.5%減247億円 売上高は過去最高更新=24年4-6月期

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が7月30日に発表した2024年4-6月期(25年3月期第1四半期)連結決算(日本基準)は、純利益が前年同期比19.5%減の247億1200万円だった。通期連結業績予想は据え置き、純利益1100億円を見込む。

◆24年4-6月期

 4-6月期の売上高は12.1%増の5167億7500万円、営業利益は30.7%減の303億5400万円、経常利益は14.9%減のの368億2200万円で、売上高は第1四半期として過去最高を更新。整備費や人件費の増加で営業費用が膨らんだものの、営業益と経常益は過去2番目、純利益は同4番目となった。

 グループCFO(最高財務責任者)を務めるANAHDの中堀公博常務によると、インバウンド(訪日)需要が旺盛だったことに加え、出遅れていた日本発のビジネス需要が好調だったことや、高単価を維持できたことが奏功したという。

 一方で、米国-中国間の直行便再開が徐々に進んだことで、昨年度は国際線旅客の構成比率で29%を占めた乗り継ぎ客が4-6月期は22%に低下。日本発は昨年度の31%から4-6月期は36%に増加し、インバウンドは33%から35%に増えた。

 国内線は、エアバスA320neoファミリー全33機が搭載する米プラット&ホイットニー(PW)製エンジン「PW1100G-JM」の点検作業の影響で、約2500便の減便が発生。7月の夏休み時期前からはエンジン整備による欠航は生じていないという。

 為替と燃油は、為替レートが1米ドル155.8円、燃油費はドバイ原油が1バレル85.3米ドル、シンガポールケロシンが1バレル98.5米ドルとなった。今期は為替レートの計画値が140円で、実績値は15.8円の円安となり、4-6月期としての為替影響は約10億円だった。

◆25年3月期予想

 2025年3月期通期の連結業績予想は、前回4月26日の発表を据え置いた。売上高が2024年3月期比6.5%増の2兆1900億円、営業利益が18.2%減の1700億円、経常利益が22.9%減の1600億円、純利益が30.0%減の1100億円を見込む。

 営業費用は、運航規模に連動する費用増に加え、減免・補助金の減少、コロナ期間に抑えていた整備の増加、人件費増が影響する見通し。