ANA新ブランドAirJapan、4-6月期利用率51.9% PR自粛影響

AI要約

ANAHD傘下のエアージャパンの新ブランド「AirJapan」のロードファクターが51.9%と発表。

機材不具合の影響でプロモーションを自粛し、成長軌道に戻したいとの考え。

ANA・ピーチ・AirJapanの実績比較や今後の展望について報告。

ANA新ブランドAirJapan、4-6月期利用率51.9% PR自粛影響

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)は7月30日、傘下のエアージャパン(AJX/NQ)が運航する新ブランド「AirJapan」の2024年4-6月期(25年3月期第1四半期)のロードファクター(座席利用率)が51.9%だったと発表した。今年2月の就航直後に機材トラブルが発生したことから、プロモーションを全面自粛したことが影響した。

 グループCFO(最高財務責任者)を務めるANAHDの中堀公博常務は、東南アジアからのインバウンド(訪日)需要が最盛期を迎える10-12月期には、成長軌道に戻したいとの考えを示した。

◆10月以降回復へ

 AirJapanは、FSC(フルサービス航空会社)のANA、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続くANAグループ第3のブランド。アジア・リゾート路線をグループ内で担うエアージャパンを、FSCとLCCの長所を併せ持つ“いいとこ取り”の航空会社に衣替えし、今年2月9日にAirJapanブランドで運航する1路線目の成田-バンコク(スワンナプーム)線を開設した。

 現在は2機のボーイング787-8型機で、成田-バンコク線とソウル(仁川)線を週7往復(1日1往復)ずつ、シンガポール線を週5往復運航。しかし、1機体制だった就航直後の2月22日に機材不具合で計4便が欠航したことから、タイ民間航空局(CAAT)から説明を求められる事態に発展した。

 中堀常務は「機材不具合でお客様にご迷惑をお掛けたので、販売よりも運航品質を高めることを優先し、すべての路線でプロモーションを自粛した」と説明。「(不振の)原因がはっきりしており、第2四半期までは影響が残るが、他のLCCに先駆けてシンガポール線とバンコク線の販売を開始しており、非常に好調だ」と述べた。

 「10-12月はシンガポールやバンコクからのインバウンドの一番のハイシーズンであり、第3四半期から成長軌道に戻していきたい」(中堀常務)と、AirJapanブランドの見通しを語った。2-3月期のロードファクターは、バンコク線が9割程度、ソウル線が8割程度だったという。

◆ANA・ピーチ・AirJapan実績

 AirJapanの4-6月期の実績は、収入が19億円、旅客数が7万1000人、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)が4万9100万座席キロ、有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)が2万5400万旅客キロ、ロードファクターは51.9%となった。

 一方、ピーチのロードファクターは84.9%(前年同期比1.0ポイント上昇)、ANA本体の国際線が77.2%(前年並み)、国内線は68.8%(同1.7ポイント上昇)だった。