日野自動車の通期予想…当期損益は未定、認証不正で米が調査継続

AI要約

日野自動車が2025年3月期連結業績予想を未定とし、米国当局の調査による潜在債務算定不可の影響を受けている。

24年4―6月期連結決算では営業利益が5・6倍に増加したが、世界販売台数は減少。タイ市場が大幅な落ち込みを示している。

日本国内はトラック供給の正常化により台数が増加したが、海外台数の減少を補えず、先行き不透明な状況が続いている。

日野自動車の通期予想…当期損益は未定、認証不正で米が調査継続

日野自動車が25日発表した2025年3月期連結業績予想は、当期損益を期初段階と同様に未定とした。エンジン認証不正に関する米国当局の調査が継続しており、潜在債務を算定できない状態が続いている。世界販売台数の予想は13万4000台で据え置いた。ただ主力のタイやインドネシアの販売は依然低調で、予断を許さない状況にある。

同日発表した24年4―6月期連結決算は、為替の円安進行などにより営業利益が前年同期比5・6倍の63億円となった。一方、世界販売台数は同7・4%減の2万9015台。このうちタイは経済の停滞とローン審査の厳格化による市場縮小の影響などを受け、同35・9%減の1879台と大幅に落とした。

日本国内は認証を再取得した「A09Cエンジン」を搭載する大型トラックの供給が正常化し、同9・6%増の9988台と改善。ただ、海外の台数減を補うまでには至らなかった。同社はカナダと豪州で計3件の集団訴訟を抱えており、先行き不透明な状況が続く。

中野靖最高財務責任者(CFO)はタイの販売落ち込みについて「24年度内には戻らないとみている。25年度以降回復すれば良い」との見通しを示した。